コラム

今や貴重なFRセダン。メーカー自ら「スポーツセダン」をうたうトヨタ マークXの魅力に迫る!

みなさんこんにちは!今回は、トヨタのアッパーミドルクラスセダン、マークXの魅力に迫っていきたいと思います。トヨタ自らが「スポーツセダン」とうたうマークXは、今や希少となってしまった、フロント縦置きエンジン・後輪駆動を頑なに採用し続けています。
現行型になって久しく、また次期型の噂も飛び交う中、2019年1月に突如スペシャルモデル「GRMN」が発表されました。まだまだ終わらないトヨタ・マークX。おすすめグレードはもちろん、マークXのラインナップで存在感を放つ「GR」の存在にも触れていきたいと思います。

トヨタ・マークXとは


トヨタ・マークXのルーツは1968年に登場した「コロナマークⅡ」です。以降、コロナのネーミングが取れ、マークⅡ兄弟と言われるクレスタ・チェイサーなどのバリエーションモデルを増やしつつ代を重ねていましたが、2004年に全ての派生車種を統合して「マークX」がデビューします。
12代目クラウンのプラットフォームを流用しつつ、アッパーミドルクラスのFRという構成はそのまま守り、かつ先代のマークⅡよりも車高を30〜40mm下げてスポーツセダンに回帰。スポーティなイメージの大胆なエクステリアデザインは、いくつかのモチーフがトヨタの後続車種やレクサスISにも受け継がれていきました。
現行型のマークXは2009年に登場。登場当初は比較的おとなしい、初代マークXから引き継がれたイメージのエクステリアでしたが、2012年と2016年のマイナーチェンジのたびに、よりアグレッシブで大胆なデザインに変貌。今ではちょっとワルな雰囲気をも感じさせるたたずまいとなっています。
アッパーミドルクラスの後輪駆動セダンは世界的に希少となっており、マークX以外ではBMW3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラス、キャデラックATS、ジャガーXE、日産スカイライン、レクサスIS、アルファロメオ・ジュリア、といったところで打ち止めになってしまいます。また、どのモデルも新車価格が高く、300万円以下で手に入るのはマークXだけ。しかも次期型のマークXは前輪駆動になるという噂もあり、今この時が「後輪駆動の手頃なセダン」であるマークXを手に入れられる最後のチャンスかもしれないのです。

2種類のエンジンと、きめ細かいグレード構成


マークXのグレード体系は少々複雑です。まずはエンジンの違いから見ていきましょう。エンジンは2種類で、レクサスISにも搭載される3.5Lの「2GR-FSE型」(318ps/38.7kgm)と、2.5Lの「4GR-FSE型」(203ps/24.8kgm)から選択でき、それぞれグレード名では「350」「250」の表記で区別されています。「250」には四輪駆動である「Four」が用意されますが、「350」は後輪駆動のみが選択可能となっています。
「350」グレードには、300psを超える大パワー・大トルクに対応すべく、大径ブレーキローター、アドヴィックス製のアルミモノブロック4ポット対向キャリパーをクラウン・アスリートから移植、さらにクラウン・アスリートよりも太いタイヤと18インチホイールを採用しています。また「250」グレードについては、従来のプレミアムガソリン仕様からレギュラーガソリン仕様へと変更。最高出力・最大トルクは先代モデルより低下してしまったものの、燃費は大幅に改善されました。
エンジンの種類とは別に、装備の差によって下のグレードから、「G “F package”」「G」「S」「RDS」「 “GR SPORT”」が用意されています。四輪駆動車は 「G “F package”」「G」「S」の3グレードにのみ設定され、かつ2.5Lエンジだけが選択できます。最上級のスポーツグレードである“GR SPORT”については、「250S  “GR SPORT”」と「350RDS  “GR SPORT”」の2種類が設定されています。
“GR SPORT”では、サスペンションの専用チューニングや、ボディ剛性を増すためのスポット溶接点の増し打ちが施されるほか、GRロゴ入りの専用スポーツシート、小径ステアリングホイール、専用メーターなどが内装の特別装備として採用されています。外観面でも19インチホイールや専用の前後スポイラー、専用の4本出しマフラーを採用し、迫力あるエクステリアを実現。大メーカーのスポーツグレードの中では指折りの、「ヤル気」にあふれたルックスに仕上がっています。

ズバリ、マークXのおすすめグレードは?


さてここでズバリ、マークXのおすすめグレードをご紹介します。「250G “F package”」です。あれ、ここまでさんざん「スポーツセダンだ」「スポーツグレードだ」と説明してきたのに、なぜ一番ベーシックな最廉価グレードを?という方もいらっしゃるかもしれません。その理由を説明していきましょう。
参考:セダンの買取専門ページです
「250G “F package”」の希望小売価格は265万6,800円と、300万円を大きく下回ります。最上級モデルの「350RDS “GR SPORT”」は442万8,000円なので、その差額は実に200万円近く!「250G “F package”」のホイールは16インチの樹脂フルキャップ付きスチールホイールで、内装面でもウレタン製シフトノブ&ステアリングホイールやファブリックシートなど、ベーシックグレードらしいよくも悪くも質素な装備となっています。
一方で、バイキセノン式ディスチャージヘッドランプ、UVカットガラス、レーダーと単眼カメラを併用する衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense」、サイド&カーテンエアバッグなどの装備は、最廉価グレードの「250G “F package”」にもしっかりと完備されています。また、203馬力を発生するエンジンは、ミニバンよりも軽量で、空気抵抗に優れるセダンボディを軽快に走らせることが可能。大きな480Lのトランクスペースは、4人分のゴルフバッグを積載でき、小型ミニバンにも引けを取らない十分な実用性を確保しています。
操縦性や乗り心地に関しても、16インチタイヤによる穏やかな乗り心地と、フロント54:リヤ46の理想的な重量バランスによる素直なハンドリングの組み合わせで、極めて良好といってよいでしょう。オーセンティックかつオーソドックスなセダンならでは操縦感覚は、「あ、クルマってこういうものだったな」と思い出させてくれるかもしれません。また、マークXの優れた静粛性は、クラス上のクラウンなどにも匹敵するほど。長距離を運転しても疲れにくいドライビングフィールは、1回の走行距離が長いユーザーに特におすすめです。「質素な見た目でも気にならない」「最近はやりの、派手な外観は苦手」という方にとって、「250G “F package”」は最適のモデルといえるでしょう。

現役であり続けるためのマイナーチェンジ


2009年にデビューした現行型マークXは、すでに発売から10年が経つ、近年の日本ではめずらしい長寿モデルとなっています。しかし、途中2回フェイスリフトを含むマイナーチェンジと、細かな改良を積み重ねることで、未だ「現役感」を失っていないのは特筆すべきでしょう。
2016年に行われたマイナーチェンジでは、全グレードに衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense」を標準装備。歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、ブレーキ制御機能付レーダークルーズコントロールなどの装備で、安全運転を強力にサポートします。
また、ボディ溶接のスポット打点を追加したり、構造用接着剤を使用するしたりすることでボディ剛性を向上。「250G(「F Package」を含む)」と「250S」にはFAD(振動数感応)ショックアブソーバーを採用して、さらに乗り心地を改善しています。

2019年1月には最新限定モデル「GRMN」が発表!


モデル末期とささやかれる中、2019年1月に突如発表されたのが350台の限定モデル「GRMN」です。「GR」はGAZOO Racing、「MN」はマイスター・オブ・ニュルブルクリンクを意味しています。豊田社長肝入りのこのモデルは、「350RDS」をベースに、このモデルならではの6速マニュアルミッションを装備し、スポット溶接の打点をなんと252箇所も追加。エンジンスペックの数値は変わっていないものの、アクセルレスポンスの向上が図られています。
また、サスペンションチューニングも専用で、KYB製のスイングバルブ式ダンパーを採用。乗り心地と操縦性の両方を改善しています。カーボンファイバー製ルーフは27万円のオプションで、10kgの軽量化と低重心化に貢献。オプションのカーボンルーフを装備した状態で540万円というプライスタグが掲げられています。
販売は全国のGRガレージが担当。注文受付は2019年9月30日まで行っていますが、その間に350台の限定数が成約次第終了となってしまうとのこと。手頃なサイズの大排気量FR&マニュアルミッション&セダンというのは、世界的に見てもかなりの希少価値が高く、欲しい人は急いだ方がよいかもしれません。
筆者のおすすめモデルは「250G “F package”」ですが、スポーツ性能を磨き上げつつ快適性も犠牲にしていない「GRMN」も最高に魅力的に映ります。デビューから10年を過ぎても、まだまだ進化の止まらないマークX。今私たちが選ぶべきなのは、こんな「一途なスポーツセダン」なのかもしれませんね!
[ライター/守屋健]

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ユーズトカーラボ 編集部
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