コラム

アルファードだけじゃない?リセールバリューの高いミニバン

家族全員でドライブする際、快適に移動をできるクルマと言えばミニバンです。広い室内空間と多彩なシートアレンジが魅力的で各メーカーから多くの車種が発売されています。アルファードは新車で購入する場合、最安モデルでも400万円程度する高級車でありながら2021年現在では毎月10,000台程度売れています。ミニバン人気はとどまることを知らない状況で、中古市場でも大人気です。この記事では、ミニバンのリセールバリューについて解説します。

ミニバンとは?

この記事をご覧の方には説明するまでもないかもしれませんが、「ミニバン」と呼ばれる車にはどのようなものがあるのか確認してみましょう。日本で「ミニバン」という呼称が定着したのは1990年代のことです。それまでの多人数乗り多目的自動車と言えばハイエースに代表されるキャブオーバータイプのワンボックスが主流でした。日産プレーリーなど80年代にも2BOXタイプの多人数乗り乗用車は販売されていましたが、どちらかと言うとセダンからの派生車両というイメージが持たれていたようです。

「ミニバン」という呼称に明確な定義はありませんが、一般的には「背の高い多人数乗り乗用車」、特に3列シートを持ち6~8人が乗車可能な車種を指すことが多いでしょう。ミニバンという呼び方が定着した要因は様々ですが、大きな契機が2つ挙げられます。1つはシボレー・アストロを中心としたアメリカンカジュアルブーム、もう一つは衝突安全基準引き上げによるワンボックス車の2BOX(1.5BOX)化です。
ミニバンという用語はもともとアメリカで「フルサイズのバン」、10人以上が乗れるような6mクラスの車両に対して、一回り小さい多人数乗りの2BOX車を区別するために使われはじめました。日本では90年代前半に一大ブームとなったシボレー・アストロが有名です。当時の日本車と比べると全く「ミニ」ではないのですが、フルサイズバンのダッジ・ラムやシボレー・エクスプレスと比較すれば「ミニ」と言えなくもないのでしょう。90年代中盤までの「ミニバン」と言えば、このような輸入車を指す場合がほとんどでした。
1994年に衝突安全基準が引き上げられ、国産車には前面衝突試験の実施が義務付けられました。各メーカーは対応を迫られますが、試験クリアのためには車両前方に「クラッシャブルゾーン」、衝撃を吸収するための壊れやすい部位を設けることが必要となります。エンジンを座席下に置き室内空間を最大限に確保した従来のワンボックス車は、この「クラッシャブルゾーン」のためのスペースがありません。そのため90年代中盤以降、多くのワンボックス車は短いボンネットを持った1.5BOXボディへと転換していきます。そして徐々にこの1.5BOXタイプを指して「ミニバン」と呼ばれるようになり、呼称が定着することとなります。「ワンボックス車」に対して「いってんごぼっくす車」はとても呼びにくいため、シルエットの近い「ミニバン」が用いられるようになったと考えられます。

リセールバリューの高いミニバン

ハイルーフタイプの多人数乗り乗用車の場合、大まかに2つのクラスに分類されます。1つはアルファードなどのフルサイズミニバン、もう1つがセレナやノアの5ナンバークラスです。一時期ほどではありませんがいずれも高い人気を維持しており、中古市場の価格も高めです。リセールを考える場合、フルサイズは海外市場、5ナンバークラスは国内市場の相場が重要になるでしょう。5ナンバークラスは日本の道路事情を考えたガラパゴス的な規格であり、再販先もやはり国内市場が中心となるようです。一方でフルサイズミニバンは近年世界的に需要が多く、特にアジア圏の中古車市場では人気車種となっているようです。
また、ミニバンの要件を「3列シート搭載」まで広げると、かつてのオデッセイやエクシーガのようなロールーフの多人数乗り車、フリードやシエンタのようなコンパクトサイズの多人数乗り車も含まれてきます。これらの車種も再販先は国内が大半であり、安定した需要を反映してリセールは安定しています。ロールーフタイプは既にほとんどの車種が販売終了となり新車購入は難しい状況のため、中古人気が上がっている車種もあるようです。
それでは、高リセールの車種を具体的に見てみましょう。

アルファード・ヴェルファイア

言うまでもなく、アルファードはランクルと並ぶ国産高リセールバリューの代表格です。特に海外人気が非常に高く、3年落ち程度なら新車価格の8割が残るとまで言われています。ただし人気輸出国となっているマレーシアの事情で、登録1年未満の車両は価格が付きにくいようです。ツインムーンルーフ、両側スライドドアが特に高リセールで、現行モデルだけでなく先代モデルでも十分に高リセールを期待できそうです。
先代モデルでは非常に人気の高かった兄弟車のヴェルファイアですが、現行モデルの新車販売ではアルファードに大きく水を開けられており、リセールにも若干影響があるようです。同クラスのライバル車種にエルグランドやエリシオンがありますが、リセール状況はやはりアルファードの圧勝です。
連戦連勝のアルファードに懸念があるとすれば、「売れすぎている」という点です。高いリセールを当てにした残価設定型ローンでの購入者も多いと予想されるため、数年後には大量のアルファードが市場へと流入してくることになります。その際に市場にダブつきが生じれば価格暴落という可能性も無くはないでしょう。既に登場から7年が経ち、時期型へのモデルチェンジが近づいていることも不安材料です。とは言え、当面の間は安定した高リセールが期待できるでしょう。

ノア・ヴォクシー・エスクァイア

5ナンバークラスミニバンの代表格となるトヨタの2車種。2022年1月に8年ぶりの新型へとモデルチェンジします。先代モデルには「エスクァイア」という兄弟車が存在しましたが、新型では廃されました。新車販売でもノア・ヴォクシーに比べワンランク落ちる印象のあるエスクァイアですが、意外にも海外人気が高いそうで、今後の動向次第ではリセール急騰という可能性もあるかもしれません。一方、ノア・ヴォクシーは安定して高いリセールバリューを持つ車種とされていますが、グレードによる差が激しいことも特徴です。また、今後は新型発売後の変動も考えられます。ノア・ヴォクシーからの乗り換えを検討している方は今のうちに専門店で一度査定しておいた方が良いかもしれません。

セレナ

衝突安全基準引き上げ以前に、1.5BOXボディをいち早く取り入れたミニバンがセレナです。現行モデルでも運転支援システム「プロパイロット」を真っ先に設定するなど、実は先進的な車種でもあります。e-POWERと呼ばれるハイブリッド搭載車が新車販売の主力で、燃費面でも他車種を一歩リードしている印象です。一方リセールという点では、比較的高い水準を維持しているものの、上記のノア系には一歩及びません。そんな中でもエアロパーツを纏ったハイウェイスター系の人気は高く、現行モデルはもちろん旧型であってもある程度のリセールを期待できそうです。リセールでの懸念は、2016年の登場から6年目となりモデル末期と言える時期に差し掛かっている点でしょう。ノア系同様、新型発売に伴うリセール低下が予想されるため、買い替えを検討するならば早めの査定をお勧めします。

デリカD:5

いわゆる「ミニバン」とは少々異なりますが、デリカD:5もリセールバリューの高い車種です。多人数乗りの本格オフローダーミニバンという唯一無二の存在であり、ディーゼルエンジンという選択肢があることも魅力になるでしょう。高リセールのグレードは圧倒的にディーゼル・4WD車です。これらの人気グレードは年数が経っていても価格が落ちにくいことも特徴です。2007年の登場から数えて15年目に突入する長寿モデルですが、2019年のマイナーチェンジでデザインやグレードを刷新し、現在は全車がディーゼル・4WDという割り切った構成になっています。ライバル不在のため、今後も安定した高リセールが期待できます。

まとめ

ミニバンのリセールバリューについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。比較的高リセール車種の多いジャンルですが、2010年代前半頃までのミニバン人気に比べれば現在は落ち着いた状況と言えそうです。少子高齢化に伴い子育て世代は年々減少しているため、今後国内でミニバンの人気が再燃する可能性はそれ程高くないでしょう。ミニバンから乗り換えを検討している方は良いタイミングと言えるかもしれません。
人気が落ち着きつつあるとは言え、ミニバンは流通量の多いクラスです。再販時の販路も海外・国内様々なため、買取価格に大きな差が出やすいジャンルです。同一車種でもグレードによって「高く売れる」販路が異なる場合などもあり、それらを熟知した買取専門店の利点が最大限に生かされるのがミニバン査定です。乗り換えを検討する際は是非一度ミニバンラボをご確認ください。皆様のより良いカーライフの一助となれば幸いです。

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ユーズトカーラボ 編集部
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