コラム

ミニバンと立体駐車場の高さ制限

家族が増えると候補に上がるクルマと言えばミニバンがあると思います。大人数で快適に移動をすることを考えたらミニバンが最適ですよね。アルファードはベースグレードでも乗り出し価格が400万を超えるようなクルマでありながら月販1万台以上も売れています。大人気のミニバンですが、困ることは車体の大きさです。立体駐車場では高さ制限があり駐車できないことも。中には立体駐車場に駐められるサイズで作られたミニバンもあります。この記事では立体駐車場に駐車可能なミニバンを紹介します。

立体駐車場の高さ制限について

立体駐車場と一口に言っても、実際にはいくつかの分類が存在します。大きな分類としては「自走式」と「機械式」。文字通り、「自分で走って入庫するもの」と「機械操作で入庫するもの」の違いです。自走式立体駐車場は大型マンションやショッピングモールに見られるタイプで、所定位置に入りさえすれば問題ない方式です。車高制限も2m程度という場合がほとんどで、一般車両で入庫できないケースは稀です。しかし、自走式駐車場が設置されているマンションはそれほど多くなく、高額な場合も多いでしょう。
一般的なマンションの場合、多段型の機械式駐車場が設置されている場合が多いかと思われます。多段型は車両パレットが垂直に3~5層ほど設置され、機械を操作することで自分の車両を出し入れするという方式です。最上段が地上にあって他の段は地下にあるもの、逆に最下段が地上で他の段は高所にあるもの、更にはパレットが循環するものなど様々な種類があります。多くは1550~1700mm程度の車高制限が掛けられており、アルファードなどハイルーフタイプのミニバンは入庫できない場合が多いでしょう。「最上段のみハイルーフ車利用可」としているケースも見られます。
最後に、タワー型の機械式駐車場です。駅前など限られた土地面積で大量の車を収容するためにビル10階建て程度の高さを持ち、その中で車を乗せたパレットが常に循環しています。このタイプも従来は1500~1600mm程度の車高制限がほとんどでしたが、近年では1800mm程度まで対応するものも存在しているようです。
代表的な3つの立体駐車場を挙げましたが、中にはそれらが組み合わさったタイプの駐車場もあります。自走式駐車場の中に多段型の機械式駐車場が存在するようなパターンです。一部のマンションなどに見られますが、この場合も元の建物の高さとの兼ね合いから、車高制限が掛かっている場合が多いでしょう。
まとめると、「自走式を除く立体駐車場では多くの場合1500~1800mm程度の車高制限が掛かっており、ハイルーフ車の入庫可能なものは限られる」ということになります。車高だけでなく、車両重量やタイヤ外寸(左右タイヤの最大幅)にも制限があるため、いずれにしても大型ミニバンでの利用は難しい場合が多いでしょう。

高さ制限をクリアできるミニバン5選

ハイルーフ車では立体駐車場の利用は難しい場合が多いことを見てきました。それでは、多人数乗車が可能で機械式立体駐車場にも止められる、そういう車はあるのでしょうか?もちろんあります……ありました。あったのですが、近年ではミニバン人気のほとんどがハイルーフ車に集中、ロールーフタイプは厳しい販売状況が続き、ほとんどの車両が絶版に。残念ながら現在新車で購入可能な国産ロールーフミニバンはほぼ存在しません。

ホンダ オデッセイ

1994年に発売され、乗用車に近い感覚で運転できる多人数乗りとして大ヒットを記録しました。5代目となる現行型は2013年に登場しましたが、製造工場の閉鎖に伴い2021年中での生産終了が決定されています。3代目・4代目のモデルには全高1550mm以下のグレードが存在し、機械式立駐にも止められることが売りの一つでした。1550mm以下で7人乗車が可能な車はこのオデッセイとストリームの一部グレードだけという貴重なモデルです。現行型はスライドドア採用に伴い1700mm近い全高となっているため、立駐利用を考えるならば注意が必要です。

トヨタ・ウィッシュ、ホンダ・ストリーム

ストリームは2000年、ウィッシュは2003年に登場しました。ウィッシュの発売当初はストリームと酷似したサイズが話題にもなりました。ストリームが2014年、ウィッシュが2017年に生産終了となっています。全高はどちらも1600mm弱で、一部の機械式立駐には入りませんが、このサイズなら対応可能な場所も多いかと思います。販売台数が多く、中古市場のタマ数も豊富です。ストリームの一部グレードは1550mm以下で7人乗りが選択できました。

トヨタ・プリウスα

ミニバンと呼ぶには違和感もありますが、今回の条件では7人乗車モデルのあるステーションワゴンとして選択肢に入るでしょう。3代目プリウスをベースとしたワゴンモデルがプリウスαです。発売は2011年で、一度もフルモデルチェンジを行わずに2021年春までの10年にわたって販売されました。実質的な後継車種はカローラツーリングとなり、多人数乗車可能なモデルは消滅しました。全高は1560~1600mmと、微妙に1550mmをオーバーしています。ウィッシュやストリーム同様、このサイズであれば利用可能な機械式立駐も少なからずあるでしょう。

スバル・エクシーガ

「ロールーフミニバン〇選」のような規格でよく名前が挙がるエクシーガですが、今回の主旨からすると要注意です。この車は全高が1660mmあり、実はそれほど低くありません。機械式立駐では入れない場所も出てきます。ステーションワゴン的なスタイルや走行性能は魅力ですので、駐車場サイズとよく見比べて検討しましょう。2008年から2018年まで販売され、2015年以降はサブネームに「クロスオーバー7」を名乗りSUV的なスタイルとなっています。全高も1cm高くなっていることにご注意ください。

BMW グランツアラー

ミニバン市場は長い間国産車の独擅場となっていましたが、輸入車にも多人数乗り車種は存在します。VWシャランやベンツのVクラスが有名ですが、いずれもハイルーフタイプのミニバンです。ロールーフタイプとしてはこのBMWグランツアラーやシトロエンのグランドC4スペースツアラー、プジョー5008という選択肢もあります。グランツアラーはBMW・2シリーズの一員として2015年に発売されました。全高は1645mmと、エクシーガよりは若干低いくらいです。全長はプリウスαよりも短いため、3列目の実用性は高くありません。

車高制限の高い駐車場の見つけ方

機械式立駐に入るサイズのミニバンは「選択肢が豊富」とは言えません。さらにいずれの車種も、3列目を頻繁に使用するような状況では室内スペースが厳しく、ストレスを感じることでしょう。それなら逆に「ハイルーフミニバンが入る」ことを前提に駐車場を選んでみるのはいかがでしょうか。
前述した通り、古いタイプの機械式立駐やタワー型立駐では適用不可となる場合がほとんどです。探すなら「近年新設」または「改修」された立体駐車場です。新設される場合にはハイルーフ車のスペースをある程度確保してある場合が多く、また設備更新の際にハイルーフ対応型に改修されるというケースも少なからずあるようです。
都市部のマンションではハイルーフ車対応の駐車場は競争率が高く、毎年抽選になるという話も聞きます。一方で郊外型マンションでは自走式立駐や十分な広さの平面駐車場が付属している物件もあります。車での移動が多い家族の場合、思い切って車へのアクセスを重視した住居選択をすることもQOL(生活の質)上昇に役立つのではないでしょうか。

まとめ

ミニバンと立体駐車場について見てきましたが、いかがだったでしょうか。近年の主流はハイルーフ型ミニバンであり、立駐を重視した背の低いミニバンはあまり選択肢がありません。これにはハイルーフ型の走行性能向上、ロールーフミニバンの室内の狭さなど様々な要因がありますが、ハイルーフ対応型の立駐が増えてきていることも一因ではないかと思います。立駐ありきで検討するよりも欲しい車を総合的に選び、それに乗るための手段を考えた方が建設的であり満足度も高くなるのではないでしょうか。皆様のご検討の一助になれば幸いです。

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ユーズトカーラボ 編集部
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