それでは今週もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は、2016年9月登場といささかデビュー時期は古いものの、いまだ販売ランキングでかなり上位に付けている(直近の2018年11月度は全体で12位、ミニバンでは堂々4位)ホンダのコンパクトミニバン「フリード」です。
基本の3列シートでいくか、それとも2列を選ぶか?
グレード数がかなり多いフリードですから「迷ってしまう!」という人も多いかもしれません。しかしフリードのグレード選びは以下の3項目について冷静に自問自答してみれば、答えは自ずと浮かび上がってくるものです。
●3列シートでいくか、それとも2列で十分なのか?
●ハイブリッドか、それともガソリンか?
●2列目は2人がけか、それとも3人がけにするか?
まずは「3列シートでいくか、それとも2列で十分なのか?」という点から考えてみましょう。
ご存じのとおり、通常のフリードは3列シートの6人乗りまたは7人乗りですが、そのほかに「フリード+」というモデルもあって、こちらは2列シートの5人乗りとなっています。
車両の後部を広く使えるフリード+もかなり魅力的ではあるのですが、当サイトは「MINI vanラボ」ですので、基本的には3列シートのミニバンを探している人のお役に立ちたいと考えています。そのため、ここは四の五の言わずに「フリード買うなら3列で!」と、とりあえず申しておきます。
もちろん、キャンプなどのアウトドア趣味をお持ちの方や、家族構成的に2列シートで十分という人には十分魅力的なフリード+ですので、場合によってはそちらも検討してください。いい車です。
おすすめはやはりハイブリッドのほう
さて、「シートの数は3列で」ということが決まりましたので、お次は「ハイブリッドかガソリンか?」という問題です。
フリードの場合、ハイブリッドとガソリンの車両価格とではおおむね30万円から40万円ほどの開きがあります。もちろん、ハイブリッドのほうが高いわけです。
ここまでの差があると「ガソリンのほうがいいかな?」と一瞬思うのですが、それでもおすすめはハイブリッドなのではないかと思う次第です。
なぜならば、フリードのハイブリッドはエコカー減税となる金額がかなりデカく、そしてカタログ燃費だけでなく実燃費もかなり良好であるため、「実際の価格差」は30万~40万円ではないからです。
ケース・バイ・ケースですので一概には言えないのですが、ニュアンスとしては「15万~20万円の差」ぐらいだと考えていいでしょう。であるならば、パワフルで、なおかつ高リセールも見込めるハイブリッドを選んだほうが良いのでは? というのがハイブリッド推しの根拠となります。
6人乗りと7人乗り、どちらを選ぶべき?
ということで、ここまでに「シートは3列」「パワーユニットはハイブリッド」ということが決まりました。お次は最後の「2列目シートをどうするか?」という問題です。
「6人乗り仕様」を選ぶ場合、2列目シートは独立式のいわゆるキャプテンシートになります。そして「7人乗り仕様」を選択すると、2列目は3人がけのベンチシートタイプになるわけです。
これは両タイプともなかなかステキな感じのシートなのですが、やはりここは独立式、すなわり6人乗り仕様を選ぶのが正解かと思います。
なぜならば、もともと広いフリードの車内を「完全ウォークスルー状態」で活用できる独立式シートのほうが何かと使い勝手が良く、なおかつ購入後の満足度も高くなると思われるからです。
もちろん、家族構成によっては7人乗り仕様がマストとなる場合もあるでしょう。それはそれとして当然ながらOKです。あくまで「一般的には」という意味で、6人乗り仕様を強くすすめる次第です。
一般的な使用状況ならFFで十分なはず
さて。これでグレードはかなり絞られました。「3列で」「ハイブリッドで」「6人乗りで」となると、対象となるのは以下の3グレードです。
●フリード HYBRID B(6人乗り/FF)|225万6000円
●フリード HYBRID G Honda SENSING(6人乗り/FF)|249万6000円
●フリード HYBRID EX Honda SENSING(6人乗り/FF)|265万6000円
言い忘れましたが、一般的な使い方をする限りは4WDではなくFFで十分かと思いますので、4WDはあらかじめ候補から外しています。また若干特殊なグレードである「フリード HYBRID Modulo X Honda SENSING」も、今回は恐縮ですが省略いたします。
廉価グレードのHYBRID Bはここで脱落!
で、上記3候補のなかの最廉価グレード「フリード HYBRID B」は、いきなりですが候補から外しちゃっていいでしょう。
なぜならば、まず第一に、安全運転支援システムであるHonda SENSINGが付かないというのが致命的です。いくらお買い得価格であっても今の時代、この種の装備が付かないグレードは買う気になれませんし、おすすめもしたくありません。
またHYBRID Bには「パワースライドドアが付かない」という、ミニバンとしては決定的に残念な点もありますので、ここはとっとと除外してしまうのが吉です。
参考:ミニバン/ワゴン車/ワンボックスの買取専門ページです
中間グレードと最上級グレードの装備差は意外と小さい?
となると、残ったのは以下の2グレードです。
●フリード HYBRID G Honda SENSING(6人乗り/FF)|249万6000円
●フリード HYBRID EX Honda SENSING(6人乗り/FF)|265万6000円
HYBRID EXは最上級グレードですから、当然ながら装備はGより充実しています。が、その差は「決定的に違う」というほどではありません。まぁいろいろ違うと言えば違うのですが、大いに気になるのはせいぜい以下のポイントです。
・コンビシート(プライムスムース×ファブリック)&専用インテリアの有無
・本革巻ステアリングホイールの有無
・サイド&カーテンエアバッグシステムが標準かどうか
おおむねこのあたりです。上記のエアバッグ系は確かにかなり気になりますが、HYBRID Gではオプションとして選択できますので、「そこだけオプションで付ければ十分」という考え方もできます。
となったときに、HYBRID GとHYBRID EXの価格差である「16万円」というまずまずの金額を考えると、「……Gでいいかな」という線が濃厚になってくるわけです。
おすすめグレードはHYBRID G Honda SENSING
ということで、結論です。
もしもこれからフリードを買うのであれば、もっとも好バランスで高コスパなのは「HYBRID G Honda SENSING(6人乗り/FF)|249万6000円」であると考えてほぼ間違いありません。
もちろん最上級グレードであるHYBRID EXを選んで、そこから値引き交渉を頑張る……という手もあるわけですが、「基本的にはHYBRID G Honda SENSINGが高コスパ!」と覚えておけばよろしいかと存じます。
ホンダ フリード選びの少しでもご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]