みなさん、こんにちは!今回は、三菱のクロスオーバーSUVのラインナップに新たに加わった「エクリプスクロス」について紹介していきたいと思います。コンパクトな「RVR」と大柄な「アウトランダー」の間を埋める5ドア・5名乗車のSUVとして登場したエクリプスクロス。まだデビューから日が浅いこの新鋭の特徴や魅力、そして中古車の売り時や買取査定について解説していきます。
三菱・エクリプスクロスの特徴
三菱・エクリプスクロスの日本国内での販売開始は2018年3月1日のこと。原稿執筆時点(2020年2月)で、国内デビューからまだ2年も経っていない新型車です。もともと三菱の国際戦略車として企画されていて、ヨーロッパでは日本に先駆けて2017年10月から販売が開始されていました。オーストラリア、ニュージーランド、環太平洋地域や北米などでも販売されていて、最終的には80カ国で販売される計画です。
リアに向かって上昇するサイドのキャラクターラインや、薄くシャープなLEDヘッドライト、大きく前傾したリアウインドウにバッサリと切り落とされたリアエンド、筋肉質に盛り上がった前後のフェンダーなど、全体的に非常にアグレッシブなエクステリアデザインが特徴です。「VIBRANT & DEFIANT(躍動、そして挑戦)」というデザインテーマの通り、アクティブな走りを体現したかのようなデザインに心を奪われる方もいるのではないでしょうか。三菱自身も、かつて存在したクーぺ「エクリプス」になぞらえて、このクルマを「エクリプスクロス」と命名するとともに「クーペSUV」と表現しています。
搭載されるエンジンは2種類で、1.5リッターのガソリンエンジンと、2.2リッターのディーゼルエンジンが用意されています。駆動方式はガソリンがFFと4WD、ディーゼルが4WDのみとなっています。特徴的なのはトランスミッションで、ガソリンモデルには8速スポーツモード搭載のCVT(ジャトコ製)が、ディーゼルモデルには8段AT(アイシン製)がそれぞれ搭載されています。
人も荷物もガンガン積み込んで、週末たくさん遠出をするという方には、太いトルクに物を言わせ、かつ航続距離の長いディーゼルモデルがおすすめです。一方で、毎日街中での運転がメイン、という方は、軽やかさが魅力のガソリンモデルの方が良いでしょう。フロントが明確に軽い上(車重差は約100kg)、搭載されているCVTとのマッチングも良好。スポーツモードを駆使すれば、CVTとは思えないほどキビキビした走りを楽しめます。
また、4WD車に搭載されている「S-AWC」は、三菱独自の車両運動統合制御システムで、ブレーキや駆動力を常時最適にコントロール。あらゆる路面状況をクルマ自身が検知・制御することで、いつでもイメージ通りのコントローラブルなハンドリングと、ドライバーに安心感を与える走行安定性を実現しています。2WDモデルでも、アクティブヨーコントロールやアクティブスタビリティコントロールを搭載し、万が一の悪路でも柔軟に対応可能となっています。
三菱・エクリプスクロスの中古市場での人気
エクリプスクロスの市場流通量は、販売から2年弱、ということを考慮するとかなり多く、2020年2月現在で400台弱が流通しています。価格については、ガソリン車のベースグレード「M・2WD」が最も安く100万円台前半から、ディーゼルの最上級グレード「Gプラスパッケージ・4WD」が300万円台前半をつけています。
人気が高いがどうか、ということで言えば、上級グレードの「G」「Gプラスパッケージ」に関してはかなり高い人気を維持しているものの、ベースグレードの「M」に関しては、タマ数が多いこともあってかなり早く値崩れしている状況といえるでしょう。正直なところ、意外と早く値下がりを始めたな、という印象があります。
三菱・エクリプスクロスの買取相場は
日本での販売開始から約2年が経った、2020年2月現在のおよその買取相場は次のようになっています。ちなみに、クリーンディーゼル車は2019年6月13日に遅れて発売されたため、ここにデータはありません。
1.5 M 58.3%
1.5 G 66.9%
1.5 Gプラスパッケージ 68.4%
1.5 G 4WD 67.7%
1.5 Gプラスパッケージ 4WD 64.6%
2年落ち、2万km走行、無事故車を元に算出しています。2年落ちで60パーセント台と、リセールバリューはあまり高いとは言えず、特にベースグレードの「M」に関しては既に50パーセント台に突入してしまっているのが気になるところです。
4WDと2WDの間に、あまり買取相場の価格差がないのも特徴といえるでしょう。短期間の所有を考えるのであれば、どちらの駆動方式でもあまりリセール時に差が出ないので、単純な好みか、もしくは価格だけで選んでしまってもいいかもしれません。
参考:SUV/RV車/クロカンの買取専門ページです
現在の市場を見る限りでは、ディーゼルモデルの人気は依然と高く、ガソリンモデルに比べれば有利と言えるのかもしれませんが、今後もこの高値傾向が続くか否かは断言が難しいです。リセールばかりを狙ってディーゼルの最上級車種を新車で購入しても、売却時に期待していた買取価格に届かない…という状況にもなりかねないので、慎重な購入計画が必要な状況といえるでしょう。
2年落ちまでの値下がりの傾向から、ガソリン車・全グレードの3年落ち時点のリセールバリューは55〜60パーセント、5年落ち時点で50パーセント程度と予想されます。
三菱・エクリプスクロスの売り時とは
エクリプスクロスの売り時については、新車で購入したクルマの場合は最初の車検前、もしくは2回目の車検前がベストなタイミングといえるでしょう。それより遅いタイミングの売却となると、あまり高い買取価格は期待できません。
またそれとは別に、エクリプスクロス自体の値下がりが思った以上に早く進行しているため、売却を考えているのであれば、できるだけ早く行動に移した方が高い買取価格が期待できるでしょう。
三菱・エクリプスクロスを高く買い取ってもらうためには
リセールバリューを狙った新車グレード選び、という観点でおすすめなのが、やはり「Gプラスパッケージ」です。現時点では、ガソリンの2WDと4WDの間にあまりリセールバリュー差が出ていないので、予算に合わせて選択できます。もちろん、ディーゼルの「Gプラスパッケージ」も最上級グレードとして魅力的な存在ですが、初期投資にかかった価格差が埋められるかは、現時点ではデータ不足のため断言が難しいですね。
エクリプスクロスで最も人気の高い色は「ホワイトパール」「ブラックマイカ」で、次点が「レッドダイヤモンド」です。リセールを狙って、これらの「ホワイトパール」や「ブラックマイカ」を選ぶのもよいでしょう。逆に、この3色以外だと3年落ちの買取時に約20万円の差が出る、と予想されています。
電動パノラマサンルーフ、純正メーカーオプションナビゲーションシステムなども、新車から5年以内に売却するのであれば、かなりの高評価が期待できるオプションです。一方で決して安くはないオプションですから、余裕があれば付けておきたいものの、もちろん必須というわけではありません。
まとめ
2018年11月、三菱車として12年ぶりの「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」の受賞を果たした三菱・エクリプスクロス。古くから4輪駆動車を作り続けてきた三菱らしい、力強いデザインのエクリプスクロスは、近年のクロスオーバーSUVブームの中でも一風変わった存在感を持っているクルマといえるでしょう。
リセールなどいろいろ気になる点はあるものの、中古車をこれから購入すると考えれば、タマ数も多くグレード構成もシンプル、価格もこなれてきてきており、ぜひ一度所有してみたいクルマには違いありません。フルモデルチェンジでデザインがガラリと変わってしまうことも多い昨今、現行モデルのデザインが好きだという方は、早めに手に入れた方がよいかもしれませんね。
[ライター/守屋健]