コラム

三菱のコンパクトカジュアルオープンカー「エクリプススパイダー」。希少なクルマの魅力に迫る

三菱のエクリプスといえば話題になるのがSUVですが、今回ご紹介するのはクロスオーバーSUVのエクリプスクロスではなくエクリプススパイダー。エクリプススパイダーはかつて三菱が北米市場をターゲットに開発したコンパクトクーペエクリプスの派生オープンモデルです。エクリプスクーペは1989年に初代が誕生。1994年にフルモデルチェンジが行われ2代目となりました。1996年にフェイスリストが施されるとともに4シーターオープンモデルスパイダーが登場しました。1999年に3代目へフルモデルチェンジ。翌年2000年には北米市場でオープンモデルスパイダーが登場しましたが日本に導入されたのは4年後の2004年。2006年まで販売されましたがターゲットが北米であったことと左ハンドルのまま輸入されたことも影響したのかわずか2年で販売が終了してしまいました。希少な三菱のコンパクトオープンスポーツカーエクリプススパイダーの魅力を詳しく見ていきましょう。

エレガントオープン2代目エクリプススパイダー

エクリプスにオープンモデルのスパイダーが追加されたのは1994年から製造販売が開始された2代目エクリプスクーペのモデル後半にあたる1996年。全長4,395mm全幅1,745mm全高1,295mm、曲面と横方向への広がりを強調したエクステリアの造形が親しみやすさとマイルドな印象を与えてくれます。搭載されるエンジンは2.0Lもしくは2.4L直列4気筒で駆動方式は前輪駆動。ルーフは電動格納式ソフトトップとし約10秒でルーフの開閉が可能。日本に導入されたのは左ハンドル、本革シートを備えた豪華仕様のモノグレードのみでわずかながら輸入販売されました。クーペのなだらかなルーフも魅力的ですがソフトトップを開けオープンになったシルエットはエクリプスの個性が際立っています。4シーターオープンモデルであるためルーフ開ければ乗員全員が開放的なオープンエアを楽しめるのもエクリプススパイダーの魅力です。

質感を高めた3代目エクリプススパイダー


コンパクトエレガントオープンスポーツカーのポジションを築き上げた2代目エクリプススパイダーに続き3代目エクリプスにも4シーターオープンモデルのスパイダーが設定されました。3代目エクリプスクーペのデビューが1999年。翌年2000年に北米ではオープンモデルのスパイダーが登場。全長4,515mm全幅1,760mm全高1,335mmのサイズ、少し困ったような表情を浮かべるフロントフェイスに愛嬌のある離れ目ヘッドライト、面で構成されたボディパネル、筋肉質なフロントとリアフェンダー、リアに回れば目力があるテールランプなどがエクリプスの新しいキャラクターを作り上げています。インテリアはシンプルで、左右対称の造形に円形のエアコン吹き出し口がスポーティーな印象を主張してくれます。サポート性に優れたドライバーズシートとパッセンジャーシート、運転やグランドツーリングを楽しめる環境が室内に広がっています。リアシートはあくまでも補助席程度ですが短時間移動の乗車や手荷物を置くのには問題ないでしょう。
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独立型トランクルームは大人2人分の荷物であれば十分に収納できるスペースを確保しています。北米市場やグランドツーリング性を重視したエクリプスクーペに「開放」をプラスしたエクリプススパイダーは左ハンドルであることや日本で見かけることが少ないということ、日本車らしくないオープンカーとして注目度は抜群。アメリカンなグランドツーリングを日本の三菱自動車で体験できる貴重なモデルです。日本に導入されたのは北米での販売開始から4年後の2004年に左ハンドル、ATの組み合わせが輸入されました。日本の保安基準に適合するよう少し手を加えただけでその他は北米仕様のままで日本に導入されました。エンジンはV6 3.0Lに前輪駆動を組み合わせています。日本に導入された4速ATモデルはトルクフルでパワフル、エンジン音を響かせながら速度を乗せていき、現代のクルマと比べると多少低いボディ剛性がアメリカ車らしいおおらかな雰囲気を漂わせるアメリカンスポーツカーの血を受け継いだエクリプススパイダー。独特なキャラクター、ゆとりのある動力、オープンエアを同時に楽しめる唯一のオープンカーです。

希少な三菱オープンカー乗れるのか?!

日本では個体数の少ないエクリプススパイダー。現在(2019年3月時点)でわずか十数台の個体が流通しています。出回っている中には2代目エクリプススパイダーや3代目エクリプススパイダーが混在しておりわずかながら日本で正規販売されていない4代目エクリプススパイダーもあります。中古車市場の相場を見てみると約50万円~約150万円。走行距離が短く、車両の状態が良い個体が高価格帯に位置しています。希少で貴重なモデルは走行距離問わず要相談となっています。わずかな個体数しかありませんがオススメモデルは3代目エクリプススパイダー、修復歴が無しの個体がオススメです。3代目モデルはエクリプスらしさがあるデザイン、質感の高さ、良い意味で日本車放れした造形や走りがオススメの理由。また日本であまり見かけないことから特別感を味わうことができるのもエクリプススパイダーの魅力でもあります。
〈オススメまとめ〉
・3代目エクリプススパイダー
・修復歴無し
・ソフトトップの状態(キズ・切れ・雨漏り・劣化等)

日本未導入のエクリプススパイダー

日本への導入は2代目エクリプススパイダーと3代目エクリプススパイダーが正規導入されどちらもわずかな台数が販売されました。日本市場では3代目エクリプススパイダーの販売終了以降エクリプススパイダーの歴史は途絶えてしまいましたがメインターゲットである北米では4代目エクリプススパイダーが販売されました。4代目エクリプスクーペの販売開始は2005年、全長4,565mm全幅1,835mm全高1,360mm-1,390mmと初代からはボディサイズは拡大しているもののコンパクトなサイズには変わりありません。エンジンは2.4L直列4気筒と3.8L V6をラインナップ、駆動方式は前輪駆動というスペック。デザインは離れ目のエクリプスらしい愛嬌のある困ったような表情と説得力のあるリアまわりを先代(3代目)から受け継いでいます。先代(3代目)よりふくよかで丸みを帯びた造形が特徴でエレガントとスポーティーを両立しています。2005年の4代目エクリプスクーペデビューから2年後の2007年にオープンモデルのスパイダーをリリース。
北米では気軽に乗ることができて手に入れやすい価格、エレガントなスタイルにより人気を博しました。デザイン的にもサイズ的にも日本の道路にちょうど良いモデルであるのにも関わらず4代目エクリプススパイダーは日本に導入されることはありませんでした。2012年まで販売されたエクリプススパイダーは三菱の経営方針により製造販売を終了。三菱らしさがある三菱自動車オリジナルのコンパクトオープンスポーツカーであるエクリプススパイダーは1996年から2012年の16年にわたり北米を中心に販売され三菱のスポーツイメージとエレガントオープンカーを象徴するモデルとして存在感をアピールしてきましたがその歴史に幕を閉じました。日本未導入の4代目エクリプススパイダーを日本に輸入をしたケースもあるようで中古車市場にはごく稀に出回ることがあります。
オープンカーは特別で贅沢な時間を提供してくれるクルマ。身近で手軽に気を張ることなく乗れるオープンカーはなかなかありません。このような理由からも気軽に乗ることができてスポーツドライビングも楽しむこともできてスポーティーで純粋にカッコいいと思えるデザインをしたオープンカーが三菱のエクリプススパイダーなのです。クルマを操る、風を感じる楽しさはオープンスポーツカーでなければ体感することができない独自の世界。この独自の世界を日常的に緊張することなく味わうことができる特徴を持ったモデルがエクリプススパイダーというオープンカーです。
[ライター/齊藤 優太]

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