コラム

実は運転しやすい?コンパクトSUVの魅力とは

SUVの購入を検討しているけど、大きなサイズの車は運転できない。取り回しのしやすいサイズのSUVはないか。
こんな方におすすめのジャンルが「コンパクトSUV」です。価格が安く運転がしやすいことが特徴で近年もっとも勢いのあるジャンルとなっています。
この記事では、おすすめのコンパクトSUVを紹介します。

コンパクトSUVとは?

1990年代後半から2010年代にかけて、日本では「ミニバン」と呼ばれる車種が大人気でした。オデッセイ、ステップワゴン、セレナ、ノア……などなど、多人数で乗れて室内空間の広いこれらの車種を各メーカーがこぞって開発し、激しい競争が繰り広げられました。
10年代中盤にはミニバン熱は一段落し、代わって現在一番人気のあるジャンルが「SUV」と呼ばれる車たちです。「スポーツ・ユーティリティー・ビークル」の頭文字からSUVと呼ばれますが、正直なところこの定義は曖昧です。室内空間にゆとりがある、比較的背の高い2ボックススタイルの車種をまとめてSUVと呼んでいる、くらいの認識が妥当と思われます。
代表的な車種は国産車ならトヨタのハリアーや日産のエクストレイル、マツダのCX-5など。輸入車ならBMWのXシリーズやアウディのQシリーズ、ボルボのXCシリーズなどが人気です。ここに挙げた車種は比較的大きめのボディを持ちますが、最近ではコンパクトカーにもSUV人気が浸透し、各メーカーからヒット作が続出しています。

SUVってどんな車?

SUVは前述したように「スポーツ・ユーティリティー・ビークル」の略称ですが、SUVというジャンルが一般的になる以前はこのような2ボックス車は「RV」と呼ばれていました。レクリエーショナル・ビークルの略称で、日本語では「休暇のための車」とでも言いましょうか。キャンプ道具を満載し、道なき道を進むような頑強さと信頼性を持つ車たちです。90年代にパジェロやランドクルーザー、ハイラックスサーフといった「クロカン車」が一大ブームを巻き起こしたことを記憶している方も多いのではないでしょうか。
SUVはこれらRV車のイメージを引き継ぎつつ、都会の日常にもフィットした扱いやすさを魅力とします。RVと言えば四輪駆動は絶対条件でしたが、現在売れているSUVの大半はFF、前輪駆動車です。ジムニーやスバル各車のような例外もありますが、SUVを選ぶユーザーの多くは走破性以外の部分にも魅力を感じていると言えそうです。日本では90年代中盤にトヨタの初代RAV4が都会派RVという市場を開拓し、CR-Vや初代フォレスターのヒットがあり、満を持して登場した初代ハリアーがこのような「クロカンRVではない」SUV市場の価値を決定づけました。その過程ではレガシィアウトバックのように乗用ワゴンやハッチバックの車高を上げた「クロスオーバー」と呼ばれる車種も多数登場し、現在ではこれらもSUVと呼ばれることが多いようです。

SUVの魅力

スタイル、積載性、乗りやすさ、信頼性などなど、車種ごとに様々な魅力を持つのがSUVの特徴でもあります。現在では「車選びの条件に合うSUVが無い」という状況はほとんど発生しないように思います。それ程に多種多様な特徴を持った車種が存在するのもSUVというジャンルの魅力かもしれません。ポルシェのカイエンなどはスポーツカー顔負けの走行性能を持ちますし、フォレスターには本格RV車に劣らない悪路走破性があり、ヤリスクロスは30km/l以上という素晴らしい燃費性能を誇ります。世界中で売れているジャンルですので、各メーカーとも最新の技術を投入し、コストパフォーマンスに優れた車種が多いこともSUVの特徴でしょう。

コンパクトだけどしっかりSUV!

人気のSUVジャンルの中でも、近年特に注目されているのがコンパクトカー市場です。2010年頃からジューク、ヴェゼル、XVといった従来の人気SUVよりも一回り以上小さいモデルが登場しはじめ、ここ数年は更にコンパクトな車種が次々に発売されています。ヤリスクロス、ライズ、キックス、C-HR、エクリプスクロス、CX-3、などなど。更に小さい軽自動車のハスラーやジムニー、タフトなどもSUVとして扱われることが多いようです。
車種ごとに様々な魅力を持つのがSUVだと言いましたが、おおよそ共通する利点もいくつか存在します。それは「アイポイントの高さ」と「積載性」です。SUVは基本的に全高が大きく、室内空間には縦方向のゆとりを持ちます。これにより着座姿勢はアップライトなものになり、乗用セダンや一般的なコンパクトカーに比べ高い視点を得ることができます。視点が高い分遠くまで見渡せますし、下方向の死角範囲も狭くなるため、サイズ以上に「運転しやすい」と感じられるはずです。かつての大型RV車は左方向の死角が大きく、サイドアンダーミラーなどを装着しても運転にはある程度の慣れが必要でした。このイメージでSUVに「運転しにくいのでは」、という不安を感じている方もいるかもしれませんが、現在のSUV、特にコンパクトSUVは逆に「最も運転しやすい車」の一つではないでしょうか。また、縦方向のゆとりは乗り降りのしやすさや荷物の積載量にもプラスに働きます。この利点はコンパクトサイズでも変わりません。沈み込むような乗り降りをしなくて良いため、狭い場所や高齢者・お子様の乗り降りがしやすい点も実用上の大きなメリットです。

おすすめのコンパクトSUV

現在のコンパクトSUV市場は大変活発で、1年に何車種もの新型車が登場している状況です。ここでは、その中からいくつかの車種を取り上げて見てみましょう。

トヨタ ライズ

出典:ウィキメディア

2019年11月に登場し、2020年の上半期販売台数で圧倒的1位になった大人気車種がライズです。ダイハツとの共同開発車で、ダイハツでは「ロッキー」の名で販売されています。トヨタにはライズ以外にもヤリスクロス、カローラクロス、C-HRといった多様なコンパクトSUVがラインナップされますが、このライズが最もコンパクトな位置づけとなります。
4mを切る全長、5ナンバーサイズの全幅で取り回しも抜群。1,000ccという小排気量ながら、全車ターボエンジンとすることで必要十分なパワーを供給しています。細かい点ですが、自動車税区分が最も安い「1000cc未満」となることも魅力です。この11月には新たにハイブリッド搭載モデルが登場し、ますます人気を高めることが予想されます。

ホンダ ヴェゼル

出典:ウィキメディア

ホンダはかつてCR-Vで都会派RV車のブームを牽引し、またHR-Vという、現在コンパクトSUVと呼ばれるような車種をいち早く市場投入しました。そんなホンダが2013年に発売し、大ヒットを記録した車種がヴェゼルです。モデル末期の2019年にもSUV販売台数でトップとなるなど、長期間にわたって好調な販売を維持してきた人気モデルです。
1500ccのガソリンエンジンに加え当初からハイブリッドをラインナップしており、また一方で2019年にはVTECターボを搭載したスポーティーなモデルを追加しました。横幅は1770mmと、コンパクトSUVにしては広め。2021年にフルモデルチェンジし、一層洗練された都会的スタイルに進化しています。

日産 キックス


出典:ウィキメディア

日産のコンパクトSUVとしては個性的なフロントマスクで人気のジュークが有名ですが、そのジュークの実質的な後継車種として2020年に登場したのがキックスです。海外市場にも展開している世界戦略車で、タイで製造し日本に輸入されるという変わった流通ルートを持ちます。サイズは上記のヴェゼルと大差ありませんが、キックスはハイブリッド(e-Power)専用モデルという点が特徴的です。「プロパイロット」と呼ばれる運転支援装置が全車標準装備という点も見逃せません。

BMW X1

出典:ウィキメディア

輸入車代表として、少し大き目ですがX1を見てみましょう。2010年に登場し、現在は二代目モデルが販売されてるBMW  X1。現行モデルのボディサイズは4455mm×1820mmで、上記3車種よりも一回り大きくなります。最低地上高も175mmと、150mm前後の多いコンパクトSUVの中では高めに設定されています。エンジンは1500ccから用意されており、排気量だけなら上記車種に近いクラスとなっていますが、新車価格は最低でも400万円オーバー。さすがBMWです。一方で初代モデルの中古相場は割安感も出てきており、100万円以下の予算でもある程度選択肢を持てる状況のようです。

スバル XV


出典:ウィキメディア

よりアウトドア的な用途を考えるなら、スバルという選択肢は外せません。スバルのSUV各車はこの燃費競争の時代に四輪駆動(スバルはAWDと呼称)のみのラインナップ。確かに燃費的には不利ですが、それ以上に走行安定性や安全性、走破性を重視する企業方針が根強いファンを持っています。
2013年に登場したXVは、それまでのスバルには無かったポップでカジュアルなデザインが高く評価され、新たな顧客層を開拓しました。2017年発売の現行モデルは全車標準装備の運転支援装置「Eyesight ver.3」をはじめとした高い安全性能が魅力です。また、200mmという本格RV車並みの最低地上高を確保しながら、全高を1550mmのタワーパーキングサイズに抑えたこともポイントです。

まとめ

以上、コンパクトSUVのあれこれを見てきましたが、いかがだったでしょうか。文中でも触れた通り、現在SUVは各メーカーともに力を入れているジャンルと言えるでしょう。言い換えれば最新技術を最もお得に手に入れることができる車種でもあるかと思います。視点の高さに最新の運転支援技術が加わり、「最も運転しやすい車種」にもなりつつあるかもしれません。
それに加え、人気のジャンルですから「数年後のリセールバリューが期待できる」こともSUVを選ぶメリットです。SUVは中古市場やカスタム市場も大きく、買取業者では引く手あまたという状況が続いています。SUV以外でも、現在お乗りの車を査定する際には「買取専門店」の査定を見てみることをお勧めします。SUVがそうであるように、専門業者ならではのポイントで高額査定が出るというケースも。査定の差額で1グレードアップ!なんてこともあり得るかもしれません。それでは、より良いお車選びの参考にしていただければ幸いです。

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ユーズトカーラボ 編集部
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