豆知識

意外と知らない!?オープンカーの駐車場事情

憧れのオープンカーを購入したい!そんな時、気になることが駐車場事情。特に幌のオープンカーは青空駐車すると幌の劣化が早まってしまいます。
幌を傷めないためにはどのような駐車場を探せばよいの?
この記事ではオープンカーに適した駐車場選びを解説します。青空駐車する場合の対策も紹介します。

オープンカーの幌を傷める青空駐車

柔らかい日差しを浴び風を切りながら走る海岸線やワインディングは、開放感に溢れるオープンカーならではの特別な景色を見せてくれます。そんな素敵なオープンカーですが、愛車の保管には独特の問題が発生します。それが「幌の劣化」です。
オープンカーは開閉部の素材と構造によって「ソフトトップ」と「ハードトップ」の二種類に分けられます。ここでは特に、アクリル繊維やビニールレザーの幌を持つソフトトップのオープンカーについて、保管の際に気を付けるポイントを見てみましょう。

幌を劣化させる要因

ソフトトップの素材は車種や年式によって様々ですが、どのような素材であっても劣化を早める要因はほぼ同じ。直射日光と雨風、そして寒暖差です。
ご存じの方も多いかと思いますが、日本はこれらの条件が諸外国に比べてハードです。高温多湿の夏季と低温乾燥の冬季との温度差は50℃近くにもなり、場所によっては年間4000mmもの雨が降る上、中緯度帯のため長い時間強い直射日光が降り注ぎます。さらに台風が来れば、海岸沿いでは塩分を含んだ激しい風雨が打ち付けることに。車、特にオープンカーにとってはとても過酷な環境です。
もちろん、幌に使われる素材は様々な劣化要因を考慮に入れて開発、選定されています。それでも、このような過酷な環境下で一切劣化しないということは難しいでしょう。長年日光や風雨に晒された幌は徐々に色褪せ、硬化やひび割れが発生し、最後には雨水が室内に侵入してきます。色褪せ程度なら見た目の問題として見過ごすこともできるかもしれませんが、雨漏りともなれば一大事です。侵入した水は内装の裏地などにカビを発生させ、ボディの金属部分に溜まれば錆をもたらします。ボディと幌の接合部分やリアウィンドウ周り、サイドウィンドウ周りは特に要注意です。幌自体は問題なくても、接合部分の「ウェザーストリップ」というゴム部分が先に劣化してしまい、雨漏りが起きるというケースもよく見られます。

オープンカーに適した駐車場とは

オープンカーの保管には直射日光や風雨が大敵だということはご理解いただけたかと思います。それでは、具体的にどのような駐車場を選べば良いのでしょうか。
駐車場にも様々な種類があります。屋外・屋内の違いは分かりやすいですが、屋内駐車場にも機械式・自走式などいくつかの分類があります。それぞれのメリット・デメリットを含め、確認してみましょう。

予算に応じたおすすめ駐車場

予算に糸目を付けないのであれば、最善の保管場所はもちろん屋内駐車場です。それも自宅直結のシャッター付きガレージが最良でしょう。セキュリティ的にも安心です。マンションならば管理人が常駐する地下の自走式駐車場などでしょうか。
しかし、このような駐車場を選択できる方は限られています。オープンカーを購入するためにまずは家探しから……という人はなかなかいません。自宅にこのような環境が無い場合は外部の駐車場を探すことになりますが、ポイントは以下の3点です。

①自宅との距離

オープンカーに限らず、駐車場を選ぶ際の非常に重要なポイントです。大前提として、自宅から駐車所までの距離が2km以上離れていると車庫証明が取得できません。実際に使用する駐車場ではない場所で車庫証明を取得することは「車庫とばし」と呼ばれる犯罪ですので、どんなに良い駐車場でも距離が遠すぎた場合は諦めましょう。「自宅に近ければ金額が高い」というわけではないため、予算に合わせて調整とはいかない部分もありますが、概ね駅から離れるほどに金額は下がる傾向にあるでしょう。

②できれば屋内

前述した通り、オープンカーの幌は環境要因で劣化度合いが変わってきます。快適なオープンカーライフを長く楽しむためには間違いなく屋内駐車場がベターです。青空駐車に比べると金額は高くなりますが、可能であれば屋内駐車場を選びましょう。立地次第ではありますが、自走式立体駐車場よりもタワー型・多段型機械式駐車場の方が金額は下がる傾向にあるようです。
都市部に多い大規模なタワーパーキングですが、気を付けなければいけないのが車のサイズです。オープンカーの場合、一般的な乗用車より横幅が大きい車種も多くありますが、一部のタワーパーキングでは全幅1850mm以上の車は利用できません。同様に、オープンカーでは珍しくない120mm以下の最低地上高という車も、一部利用できないタワーパーキングがあるようです。また、マンション等によく設置されている多段型の機械式駐車場では最上段が雨ざらしになっている場合もあるため、ここも確認が必要です。
ショッピングモールのような自走式立体駐車場ではこういった心配は必要なくなりますが、一方でセキュリティ面には不安が残ります。機械式と違い、誰でも入れる駐車場になっているケースも多いからです。予算に余裕があるならば、管理人が常駐するタイプの駐車場が安心です。

③屋外ならばボディカバーを

どうしても条件に合う屋内駐車場が見つからないときは、屋外のいわゆる「青空駐車場」を利用することになります。予算的には抑えられますが、車には厳しい状態での保管となります。最低限、ボディカバーを装着しましょう。これは防犯の面でも有効です。ボディカバーを選ぶ際には、汎用品よりも車種専用品が良いでしょう。汎用品は大きめのカバーをベルト等で押さえつける形であり、屋根が柔らかいソフトトップ車には向きません。脱着時の摩擦によるボディの傷なども付きやすくなります。

屋外駐車場に限りませんが、撥水スプレーやワックス等を使用する際には注意が必要です。幌の素材によっては逆効果となり、変色や硬化の原因にもなり得ます。できれば専門業者によるコーティングを選びましょう。洗車もこまめに行いたいですが、洗車機は使用できません。高圧洗浄機も幌には当てない方が良いでしょう。水圧で歪んだ幌の隙間から車内に水が侵入すると大惨事です。

まとめ

オープンカーの駐車場選び、参考になったでしょうか。自宅にできるだけ近い屋内駐車場であることが理想ですが、都市部の駅周辺などでは立地や予算的に難しい場合もあるかと思います。背の高いミニバン非対応のタワーパーキングなどは価格帯が下がっているようですので、最低地上高などの問題をクリアできれば狙い目かもしれません。あるいはリモートワークもだいぶ浸透した昨今、思い切ってオープンカーを思い切り楽しめる土地に移ってみるという手も。二拠点居住であれば車庫証明の問題も回避できますから、今後はそういう楽しみ方をする人も増えてくるかもしれませんね。
一般的な乗用車とは異なる部分がたくさんあり、それなりに手間もお金も掛かるのがオープンカーです。しかし同時に、何物にも代えがたい魅力を持つ車でもあります。皆様の楽しいオープンカーライフの一助となれば幸いです。

https://www.car-rate.info/opcar-lab/

 

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