コラム

イタリアンデザインのお洒落な軽自動車。スバルR2の魅力とは?

トールワゴンの流れの中、あえてデザインにこだわったお洒落な軽自動車・スバルR2

軽自動車というと「ハイトの高いワゴンタイプ」もしくは「ワンボックス」がほぼ全てを占めていて、一部にコペンやS660のような割り切ったスポーツカー、というイメージがあります。
全長、全幅、排気量が制限された中で、乗用車としての居住性とユーティリティーを追求すると、とりあえず枠一杯に四角い車体を作って人間をアップライトなポジションで座らせる、という、おそらくスズキのワゴンR辺りが先駆けになったあの「トールワゴン」という形が最適解なのでしょう。
冷蔵庫や洗濯機といった家電製品のように、軽自動車も「メーカーが違っても、どれもだいたい同じ形」という、そういう感じですね。
そんな中でスバルのR2はちょっと違った流れに居たような気がします。全体に丸みを帯びた、あまり立ちすぎていないポジション。枠一杯感のない、自然なスタイリングです。

R2とはどんなクルマなのでしょうか


出典:ウィキメディア
R2は2003年にデビューしましたが、実はもっともっと昔にご先祖様が居ました。富士重工業が1969年から1972年まで製造していたR-2という軽自動車です。
あの有名な「てんとう虫」、スバル360の後継車種で、360ccの空冷2気筒2ストロークエンジンをRRレイアウトに搭載したハードなモデルでした。パワーは30馬力でしたが車重が430kgという、現代では考えられないような軽さでした。
ケーターハムの160よりも軽いのですから、これで屋根が付いて四人乗りだったということを考えると、当時の軽自動車は本当に「軽」だったのですね。
さて、R2です。2003年12月8日に発売されたR2は、5ドアハッチバックタイプ。エンジンは直列4気筒で、DOHC16バルブにインタークーラー付きスーパーチャージャーを搭載したモデル、同じくDOHC16バルブに可変バルブを採用した自然吸気モデル、SOHC8バルブモデルの三種類が用意されていました。
トランスミッションは7速タイプのCVT、i-CVTで、自然吸気タイプのモデルでは一部5速MTも選ぶことができました。
駆動方式はFFと4WDがあり、サスペンションはフロントがL型ロアアーム・ストラット、リアがデュアルリンク・ストラットの四輪独立懸架。この辺りスバルの走りへのこだわりというか、特色が現れています。
燃費は自然吸気のDOHCエンジンを搭載した2WDモデルで24.5km/l(10・15モード)を達成していて、「平成22年度燃費基準+25%」をクリアしています。
発売当時すでに軽乗用車は、先にも書かせていただいたとおりトールワゴンタイプが主流になっていましたが、R2はデザイン重視でした。主に女性をターゲットにしていたと言われます。
実はこれをデザインしたのは、元はアルファロメオのデザインをしていたアンドレアス・ザパティナスというデザイナーです。やはりイタリアンデザインは女性の心をくすぐるのですね。また、スバルということで、フロントマスクを始め全体に航空機をモチーフにデザインされたといわれています。
参考:スバル車買取専門ページ!

特別仕様・モデルの変遷など

2003年12月8日、R2が発売されました。当初のグレードはベースモデルの「i」、DOHCエンジンの「R」、スーパーチャージャーDOHCの「S」三種類で、それぞれFFと4WDが用意され、また「i」と「R」はCVTのほか5MTも選ぶことができました。
またボディカラーは11色から、内装も2色から選ぶことができるなど、デザインと共に女性ユーザーを意識したお洒落なクルマとして展開されました。
当時の新車の価格帯は2WD・5MT「i」の86万円から、AWD・i-CVT「S」の140万円まででした。
2004年6月30日に、特別仕様車「i+」が発売されました。
2004年11月29日に、フロントバンパーの形状、ホイール、マフラーカッター、ヘッドレストなどの小規模な変更がありました。
2005年6月14日、快適装備を充実させた「Utility Package」、本革巻きステアリングなどを装備したスポーティな「Custom typeS」が発売されました。
2005年11月24日、フロントグリルとリヤウインドウのデザインを一部変更。スポーティな「typeS」と快適仕様の「Refi」が追加されました。
2006年4月24日、特別仕様車「Refi Limited」が発売されました。インテリアショップ「アクタス」の監修で、木目調のインパネやリラクシングブルーの内装色、アロマディフューザーなどが装備されていました。
2006年11月15日、スーパーチャージャー搭載エンジンがハイオク仕様からレギュラーも使える仕様に改良されました。同時にi-CVTの制御の最適化で燃費性能も向上が計られました。新色「ダークグレー・メタリック」が追加され、また新しい仕様「Refi Bitter selection」も発売されました。これは従来の「Refi」仕様に花粉対応フィルター付きエアコンなどが装備されたもので、専用の新色「モカブロンズ・パールメタリック」を選ぶことができました。
2007年6月12日、ベースグレードの「i」が「F」に変更され、同時に「F+」が設定されました。また、新色「アジュールブルー・パール」「ベリールージュ・パール」「プレミアムシルバー・メタリック」「フロストホワイト」が追加されました。
2008年1月15日、「Refi Bitter selection」が再発売されました。以前の仕様にオートエアコンやミュージックCDサーバー&ウエルカムサウンドオーディオを追加して、さらに快適さを追求したものです。
2008年6月12日、ミュージックCDサーバー&ウエルカムサウンドオーディオか「typeS」に標準装備され、「R」と「Refi」にもメーカーオプション設定されました。
2008年8月4日、スバル発売50周年を記念した特別仕様車「FAVORITE Edition」が発売されました。これは「F+」をベースに、ブレーキアシスト付4センサー・4チャンネルABS、オートエアコン、スマートキーシステム、インテグレーテッドCDプレーヤー&AM/FMチューナー等を装備して、安全性と快適性能を向上させたものです。
2009年11月14日、「F+」をベースに花粉対応フィルター付きオートエアコン、キーレスシステムなどを追加し、内装を黒で統一した特別仕様車「Smaet Selection」が発売されました。
2010年3月12日、受注を終了しました。これまでの総生産台数は133,833台とされています。

現在、中古車市場におけるR2は?


出典:ウィキメディア
最終モデルでもそろそろ10年が経ちますが、普通車に比べて軽自動車は需要がありますので、まだタマ数はそこそこあるようです。
但し豊富にあるというほどでもなく、またこれから大量に中古車が出てくるということもあまり考えにくいですので、この車種が好きな方は早めに検討された方がいいかもしれません。
価格も一桁万円台から40万円程度までが多く、たまに非常にきれいなスーパーチャージャー付き4WDモデルで70万円台、あるいはそれ以上のものがある、といった状況ですね。
ネットで調べていると、まれに100万円を超えるものが出てきて驚きますが、よく見ると先代のR−2だったりします。さすがにこの辺りはもうヒストリックカーなので、マニアの方向けでしょう。
現在スバルはもう軽自動車を自社で開発・製造していません。そういう意味ではスバル(富士重工業)生まれの軽自動車は、いまや貴重かも知れません。
生産終了後それなりの時間が経過していますが、R2はまだそれほど古い車種というわけでもなく、部品が手に入らないということもあまり聞きません。また、壊れやすい、耐久性に問題があるといったネガティブな口コミも特に無いようですので、ちょっとお洒落な軽自動車を探しておられる方には良い選択なのではないでしょうか。
[ライター/小嶋享]

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