RXそのものは1998年から販売されていますが、その中でハイブリッドモデルが追加されたのは北米では2005年、日本含めアジアとヨーロッパでは2006年からです。2代目からの登場で、一番最初はRX600h、現在はRX450h、ロングバージョンのRX450hLという名前で販売されています。
世界初のハイブリッド仕様の高級クロスオーバーSUV
今でこそクロスオーバーはたくさんのモデルがあり、高級車を製造しているブランドでもハイブリッドの高級クロスオーバーが誕生しています。しかしこのRXが一番最初に製造されたハイブリッドの高級クロスオーバーSUVで、新しい車種を誕生させたといっても過言ではありません。のちに多くのブランドに影響を与えました。
参考:レクサスの買取専門ページです
クロスオーバーとは思えないセダンのようなエクステリア
何と言ってもこのモデルの特徴の一つは速さを感じさせるエクステリアです。とはいえ、正直なところ本当にかっこいいと思えるデザインになったのは2015年から販売されている4代目のRXからである気はします。街中で走ってると一際目立つ顔です。販売開始されてから約10年ほどですが、かなりその間にデザインが変わってきているので、中古で探す際は車そのものの状態が良くても、古いものはエクステリアが今と全然違うのでできたら2015年以降の良い車体が見つけられると良いと思います。
まるでセダンを思い起こさせるポイントとして、窓枠がサードシートにかけて小さくなっていることが挙げられます。トランクもセダンほどではないですが軽く低くなっていますが、ギリギリまで高さを保っているのですが、この窓枠のデザインのおかげで車そのもののラインが流麗に見えます。またレクサスお馴染みのスピンドルグリルはモデルによって違うというのは以前もお伝えしましたが、このRXもクロスオーバーならではでかっこよく見せられるスピンドルグリルの設計がされています。スピンドルグリルの真ん中の凹みを少し上の方にすることで、上側の細く鋭い雰囲気と下側の台形はダイナミックさがありメリハリがあり力強い顔つきになっています。
また右左折の時に、内側から外側に流れるように滑らかにLEDランプが光るLEDシーケンシャルターンシグナルランプが採用されています。これも現在レクサスでいくつかの車種に取り入れられている特徴的なもので、レクサスらしさの一つになっています。
5人乗りと7人乗り
RXには5人乗りと7人乗りがあり、7人乗りはロングバージョンのRX450hLのことで、RXの7人乗りを選ぶのは必然的にハイブリッドを選ぶことになります。車体の大きさ的には、5,000mmで450hより110mm、高さは1,725mmと450hより15mm大きくなっています。RXそのものにも言えますが、ダイナミックな車体なので駐車場などでの際は注意したいところです。またオーナーによっては思っていたよりも大きかったという声も多く、サイズに持て余してしまい乗り換えることにしたなんて声も聞かれます。買う際にこの大きさが活躍できるのかよく考えることをおすすめします。車体の数字的には意外にそこまで違うわけではないですが、重量が約100kgほど重くなっています。それだとせっかくのハイブリッドでも燃費がそこまで良くないのではないか、運転してて重さを感じるのではないかと思ってしまいますが、燃費はJC08モード燃費にして17.8km/Lであり、運転面も5人乗りと変わらずクイックなハンドリングに素早い加速を実現しています。
サードシートまで乗り心地が良いのか気になるところですが、そこはさすがレクサスといったところで乗り心地を考慮した細やかなサービスがなされています。サードシートはもちろんファーストやセカンドと比べたら狭いですが、大人でもきちんと座れます。しかし背が高い方や長距離の運転では苦しいかと思います。7人乗っての長旅などは少ししんどいので、近場でたまに使う分には良いですが、常に7人みっちりと乗るのであれば向いていないかもしれません。サードシートを使わないのであれば倒して荷物置きにもできるのでセカンドまでしか使わないけど、荷物もしっかり載せたい人にもロングバージョンは良いですね。
乗り心地面でも後部座席にもシートヒーターやサードシート用のエアコンがついていたり、先代よりレッグスペースを広げたりと工夫がなされています。また意外に便利なのがセカンドシートにレバーが付いておりこれを操作することで前方にスムーズに移動してくれるウォークインモードです。スムーズにサードシートに乗り込むことができます。
そしてセカンドシートとサードシートは倒してフルフラットの空間を作ることができます。これがかなり広く、荷物を載せることが多い方にはうってつけだと思います。車中泊なんかも数人で楽々とできそうです。
大きい車体をしっかり安全サポート
大きくて運転が大変だからこそ、安全面でも強力な機能が備わっています。まずLexus Safety System+が全グレードに標準装備されています。これは近年のレクサスには当たり前のように付いている装備ですが、RXならではとしてはサイドウィンドウを全体的に大きく設計されており外部の確認がしやすいようになっています。しかしデザイン的にはそれでダサくないのがさすがです。そしてレクサスとして初めて採用された安全機能がリヤクロストラフィックオートブレーキです。(RCTAB)これは駐車の際に周りから近づいてくる車両とぶつかりそうになった時に自動的にブレーキで制御してくれるものです。やはり大きい車体だからこそ、このような機能が付いていると安心できます。
ちなみにもう一つレクサスとして初めて搭載されたのがタッチレスパワーバックドアです。これはLのエンブレムに手をかざすことでバックドアを開くことができるもので、停止位置メモリー機能と挟みこみ防止機能まで搭載されており便利でありながら安全面のちょっとした気遣いも伺えます。
大きな車体を軽々と走らせるモーター
RX450hには3.5LのV6エンジンで前後にモーターが付いている仕組みになっています。ハイブリッドとは言え、システム出力は230kW(313PS)と十分で最高トルクもフロントモーターが335N・m、リヤモーターが139N・mと力強いパワーを持っており、2,000kg以上の車体をスムーズに滑らかに走らせてくれます。またレクサスならではの静粛性もお墨付きで、オーナーの中には静かすぎるという声もあるほど静かです。
正直なところRXはハイブリッドとターボがあり、ターボ版にはやはりハイブリッドにはない音とパワフルな走りを見せてくれることは間違いないと思いますが、ハイブリッドには力強さがありながらもそれを前面に出さず上品でラグジュアリーさを感じさせる走りを支える役割を果たしています。
まとめ
やはりセダンとは違って、クロスオーバーSUVを購入する客層として家族がいたり、アウトドアが好きだったり、仕事で多少の荷物が載せられるような車が必要だったりと何らかの生活面で必要であることが多いかと思います。かと言って、人や物を乗せられればいいというのは寂しいもので、レクサスもやはりそこを突いてきたという気がします。生活で必要だから、という理由でも機能性に富み上質な走り心地がありながらラグジュアリーな気分にも浸れる、そんな車は日常をきっと後押ししてくれる存在になってくれるはずです。トヨタの培ってきたハイブリッドの性能と、レクサスの高級感漂う機能と乗り心地を備えたRXのハイブリッドモデルは今後も進化を遂げてさらなる高級クロスオーバーSUVの扉を開いてくれるはずです。今後ますます高級クロスオーバーSUVは様々なメーカーから出てくることでしょうが、他のブランドと競争するというよりかはレクサスらしく独自性のあるクロスオーバーを生み出してくれることを期待しています。
[ライター/A. Oku]