コラム

ホンダの技術の最高点?先進的なハイブリッドシステムを搭載したクラリティPHEV、セダンとしての魅力と実力に迫る!

みなさん、こんにちは!今回は、搭載された新技術を列記するだけでかなりの量になる、最新技術満載のセダン「ホンダ・クラリティPHEV」を紹介します。ホンダの燃料電池自動車をルーツとするクラリティPHEVは、かつての実験車の面影は全くなく、極めて実用性の高い「大型高級セダン」としてラインナップに君臨しています。
この記事では、ホンダ・クラリティPHEVに採用された数々の技術を紹介していくとともに、クルマとして、そしてセダンとしての魅力にじっくりと迫っていきます!

ホンダがついに実現した、クラリティシリーズの「3 in 1コンセプト」


ホンダは、他メーカーに先駆けて自動車の電気化を推し進めてきました。1980年代後半には燃料電池車の研究を開始し、そこで得られた研究結果を2002年の「FCX」や2008年の「FCXクラリティ」で結実。リース販売を行い、実際に使用した場合の各種データを蓄積していきます。
ホンダは2016年に、量産型のセダン型燃料電池自動車「ホンダ・クラリティ・フューエルセル」を発表。さらにホンダは、クラリティのプラットフォームを共用することで、電気自動車「クラリティ・エレクトリック」を完成させ、アメリカでの販売にこぎつけました。
そして2018年7月、今回の主役「クラリティPHEV」が日本で発売されました。これにより、ホンダのクラリティシリーズは、同一プラットフォームでEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)という3種類の電動パワーユニットを揃えた世界初のクルマとなりました。ホンダが推し進めていたクラリティシリーズの「3 in 1コンセプト」が、ついに完成したのです。
ホンダは、2030年をめどに、全世界で販売するクルマの3分の2を電動化することを目指していて、クラリティシリーズはその先陣を切って開発が進められました。フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題以降、自動車業界は全世界的に「脱ガソリン、脱ディーゼル」化が進んでおり、トヨタや当のフォルクスワーゲンも、電動化を推し進めると発表。今後数十年で、メーカー間の競争はますます激しくなるに違いありません。
時代がSUVに傾いている中、売り上げ面で大きな期待ができず、スペース面で制約の大きいセダンで3種類の電動パワーユニットを揃えたホンダは、やはり技術重視・将来性重視の会社と言えるでしょう。クラリティシリーズ中最後に登場したクラリティPHEVは、シリーズ随一の完成度を誇る、実用性の高いセダンとなっています。次の項では、採用された数々の新技術に触れていきましょう。

最新技術の塊


クラリティPHEVの駆動方式は、その名の通りプラグイン・ハイブリッド方式。クラリティシリーズの特徴的なところは、ガソリン車のプラットフォームを流用したのではなく、電動パワーユニットを使うことを念頭に置いて開発された、電動パワープラント専用プラットフォームを使用している点です。
新開発の大容量水冷バッテリーは、座席の床下に敷き詰めて低重心化。バッテリーがトランク内に張り出していないので、トランクの容量を確保できた上、後席を前に倒してトランクと室内を繋げるトランクスルー機構を採用できました。
パワーコントロールユニットは、従来品に比べて大幅な小型化と性能向上を実現。高出力のモーターは、わざわざ新しい生産設備を整備して採用した最新鋭のユニットです。全長4.9m強の大柄なボディに搭載されるエンジンは、1.5リッターの自然吸気直立4気筒DOHCで、常識的に考えると小さすぎると感じるところですが、このユニットはほぼ発電用としか機能しません。もちろん、このエンジンにも最新技術が投入され、世界最高レベルの熱効率を実現しています。
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クラリティPHEVは、ほとんどの走行状態を、床下に備えたバッテリーによるEV走行でカバーしています。EVでの最高速度はなんと160km/hに達し、EV走行距離は101.0km(WLTCモード)と、電動自動車大国・日本の他の車種と比べても抜きん出た性能の持ち主。バッテリーが重く、それに伴って車重も思いため、ハイブリッド燃料消費率は28.0km/L(JC08モード)、24.2km/L(WLTCモード)と、プリウスなどと比べると見劣りしますが、ハイブリッドモードでの走行はクラリティPHEVの本分ではありません。

搭載された3種の走行モード


クラリティPHEVに搭載された走行モードは「ECON」「SPORT」「HV」の3種類。「ECON」モードは、できる限りEV走行を維持しようとするモードです。クラリティPHEVには「アクセルペダルクリック機構」があり、アクセルペダルの途中に引っかかりを感じる場所が設定できるのですが、クリック手前まででアクセルを操作することで、EV走行を保つようになっています。このモードでも、クラリティPHEVの走行はパワフルそのもの。街中の運転から高速道路の運転まで不足を感じることはほとんどありません。
「SPORT」モードでは、アクセル操作に対する反応が鋭くなるほか、アクセルを離した際の減速Gも大きくなるような設定に変化。床下に設置されたバッテリーによる低重心化を実感するような、キビキビとしたハンドリングを体験できます。
「HV」モードは、バッテリーの残量を保つための走行モードです。エンジンが駆動輪と接続されるのは、この「HV」モード中に高速巡行した場合のみで、その場合でもエンジンの音や振動はほとんど感じられず、静寂を保ったまま。また、モードスイッチ長押しで「強制充電モード」に移行でき、常にエンジンは回転しっぱなしになるものの、約60パーセントまでバッテリーを充電可能な機能を備えています。
ステアリングにはパドルが付いていますが、これはトランスミッションのギア選択ではありません。減速G設定用のパドルで、4段階で調節が可能です。山道での下り坂やコーナー手前の減速、国道や高速道路で前車に追いついてしまった時の減速などに威力を発揮します。

環境に配慮したインテリア


トランクスルー機構を備えたトランクの容量は512リッターにも達し、9.5インチのゴルツバッグを4つ楽々飲み込む容量を確保しています。バッテリー搭載位置を床下にしたことによる恩恵ですね。また、FFなのでドライブシャフトも存在せず、後席は広々とした室内空間を実現しています。
近未来的なエクステリアに比べて、インテリアはシンプルかつクリーンにまとめられています。センターコンソールにシフトレバーはなく、ボタン式のシフトセレクターとなっていて、肘周りの空間にも余裕があります。
シートカラーは柔らかな印象のホワイトアイボリーとクールなブラックの2種類を設定。運転席のシートは8ウェイのパワーシートとなっていて、メモリー機能も装備。シートの大部分は本革製で、腕などが触れるサイドの部分にはしっとりとした質感の素材「プライムスムース」を採用したコンビシートとなっています。
内装の表面積の約70パーセントを「環境負荷低減素材」で作り上げているという点も、クラリティPHEVが環境に優しいクルマを目指していることの証明と言えるでしょう。リアトレーやピラーガーニッシュの金型をアルミとすることで、金属加工にかかる電力消費量を減らし、製造時のCO2排出量を低減。また、ルーフライニングや、シートとアームレストのプライムスムース裏地などに植物由来のバイオ糸を採用しています。

他社が羨むほどの贅を尽くしたPHEV


クラリティPHEVは、メカニズム面でも、インテリア面でも、現在考えうる最高の技術の粋を集めて作られた、高級大型プラグイン・ハイブリッド・セダンです。バッテリーひとつ、モーターひとつとっても、最新の技術が投入され、他社が羨むほどの贅を尽くしたメカニズムを考慮すると、約590万円の価格もバーゲンプライスと言えるのかもしれません。
空力性能を徹底的に煮詰めたワンモーションシルエットのエクステリアは、広く明るい室内空間と、走行時の静粛性を両立させることに成功。筆者は、かつてのシトロエンC6などを彷彿とさせる流麗かつ個性的なデザインだと思いますが、みなさんはどう感じますか?
ホンダの理想主義を体現したようなクラリティPHEV。今後の展開に期待したいところですね。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
[ライター/守屋健]

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ユーズトカーラボ 編集部
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