コラム

ホンダの誇るフラッグシップセダン「レジェンド」。NSXに匹敵する高度なパワートレイン、その実力と魅力とは?

みなさんこんにちは!突然ですが、クルマのネーミングってなかなか興味深いですよね。海外メーカーに多く見られる「アルファベットと数字の組み合わせ」のようなシンプルなものから、動物、地名、はたまた造語まで様々なものが存在します。今回ご紹介するクルマは、その中でもかなり立派なネーミングの持ち主の1台ですね。
ホンダ・レジェンド。「伝説」という名を持つこのフラッグシップセダンは、ネーミングとは裏腹に、波乱の歴史をたどってきました。今回は、レジェンドの実力と魅力を改めてご紹介していきたいと思います。

一度は消滅したフラッグシップセダン


ホンダ・レジェンドは、ホンダで初めてV型6気筒エンジンを搭載し、フロントエンジン・フロントドライブ・レイアウトでありながら、初めから「ホンダのフラッグシップセダン」として開発されたモデルです。ボディタイプはセダンを基本として、初代モデルや2代目モデルには2ドアクーペも用意されていました。メインターゲットは富裕層で、天然木のウッドパネルなど、フラッグシップモデルと呼ぶに恥じない作り込みが特徴です。
ホンダ・レジェンドの初代モデルが登場したのは1985年のこと。当初は、ホンダのアメリカにおける高級ブランド「アキュラ」の専用モデルとなるはずでしたが、のちに日本でも販売されるようになります。日本に導入された際は、ホンダ初めての3ナンバー車となりました。故・本田宗一郎氏の愛車として知られ、また鈴鹿サーキットのマーシャルカーとしても活躍した歴史を持ちます。
その後、1990年に2代目、1995年に3代目が登場しましたが、バブル崩壊と国内のセダン需要の低下により販売台数は減少。2004年に4代目モデルが登場し、280馬力規制解除後初めて300馬力を超えたクルマとして注目を集めましたが、2011年には年間販売台数が360台と低迷してしまいます(4代目登場当初の月間販売目標台数は500台)。
結局、ホンダは2012年にレジェンドの生産中止を決定。レジェンドの歴史はここで一度途絶えます。ところが、2013年にアキュラは新たなフラッグシップセダン「RLX」が発売。2014年には日本での販売再開が発表され、2005年2月20日に「レジェンド」の5代目モデルとして復活します。約2年半ぶりにレジェンドが日本の地に戻ってきたのです。

内包される高度なメカニズム


レジェンドの北米版であるアキュラ・RLXに搭載されるエンジンは、3.5Lのガソリンエンジンが主力となっていますが、日本版であるレジェンドではハイブリッドモデルの設定しかありません。また、アキュラ・RLXではFFまたは4輪駆動であるAWDの2種類から選択できますが、現行型レジェンドにはAWDのみが用意されています。
現行型レジェンドに搭載される4輪駆動ならびにハイブリッドシステムは、「SPORT HYBRID SH-AWD」(SH-AWDはSuper Handling All Wheel Driveの略)とホンダ自身が呼んでいるもので、フラッグシップスポーツカー「NSX」にも同等のシステムが搭載されています。
その内容は、ガソリンエンジンに加えて、フロントに1基、リアに左右1基ずつの合計3基のモーターを制御するというもの。ガソリンエンジンは3.5リッターのV6で314PSを発生。フロントに搭載されるのはこのエンジンと、47PSを発生する電気モーターを内蔵した7速のデュアルクラッチトランスミッションで、リアアクスルにはそれぞれ37PSを発生する電気モーターを左右に搭載しています。
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かなり複雑な構成のシステムですが、走行状況や路面状況に応じて、各タイヤから発生する駆動力を瞬時にコントロールするという、極めて高レベルの制御を行っています。前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動をシームレスに切り替えることで、様々な状況下でも安定した旋回性能、運動性能、車両安定性を発揮できるように工夫されています。
この優れた動力性能を生かすために、現行型レジェンドは車体剛性の確保にも力を入れています。ボディは溶接だけでなく、より強固な剛性を得るために、接着剤の塗布の工程を追加。これによって、しっとりとした乗り心地と、ステアリングを切った時の反応性の高さを両立しています。
また、様々な路面状況を受け止めるサスペンションについても、念入りなチューニングが施されました。電子制御ではないコンベンショナルな構成のサスペンションですが、振幅感応型ダンパーを採用することで、狙ったラインをトレースできるハンドリングと上質な乗り心地の両方を実現させています。

シンプルなモノグレード構成


現行型レジェンドのグレード構成は実にシンプルです。グレードは「Hybrid EX」の1種類しかありません。
エクステリアカラーは8色、インテリアカラーはなんと4色から選択できます。エクステリアとインテリア、それぞれのカラーの組み合わせは自由に選ぶことが可能です。現行型レジェンドの大きな美点の一つに上質なインテリアが挙げられますが、その色の組み合わせをエクステリアカラーに引っ張られることなく自由に選べる点は、ライバル車と比べて大きなアドバンテージですね。
インテリアカラーは、クールな「プレミアムブラック」、色気あふれる「ディープブラウン」、さわやかな「グレーストーン」、柔らかく明るい印象の「シーコースト・アイボリー」の4色が用意されています。
パワートレインは先述した通り、3モーターとガソリンエンジンのハイブリッド1種類のみで、システム全体で最高出力382PS、最大トルク463Nmの強力な動力性能を誇ります。また、「SPORTモードスイッチ」を押せば、より俊敏な走りを実現する制御に瞬時に切り替え可能。モーターのアシスト量も増え、旋回性能、加速性能も向上するほか、ステアリングとブレーキのダイレクト感も増すようになります。また、スポーティな走りに欠かせないパドルシフトも装備。7速デュアルクラッチトランスミッションを駆使して、ワインディングなどを積極的に走ることができます。

オーディオはクレル社の専用品


トランクは自動で開閉するパワートランクを搭載。ハイブリッドシステムを搭載しているものの、容量は414リッターを確保しています。
搭載されているオーディオは、アメリカ・クレル(Krell)社による専用設計品。クレルは世界屈指のホームオーディオメーカーで、レジェンドのためにアンプ、スピーカー、ツィーターを専用で開発、チューニングの追い込みまで行っています。合計14個のスピーカーから発せられる音を、音の匠が0.01dB単位でイコライジング。その結果、臨場感あふれる極上の音空間が完成しました。運転席のみならず、全席でリアリティにあふれた音像を体験できます。
安全装備に関しても、ミリ波レーダーと単眼カメラによる運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載。様々な状況での衝突回避や、アダプティブ・クルーズ・コントロールによる運転負荷の軽減など、多彩な機能でドライバーをサポートします。また、鮮明なカラー映像を実現するヘッドアップディスプレイも装備。最小限の視線移動で、運転に必要な情報をピックアップすることができます。

運転席で感じる「快楽性」はクラス最高レベル


ホンダ・レジェンドは、クルマをステータス性やネームバリューで選ぶ方には少し向いていないクルマかもしれません。また、2017年の国内年間販売台数は約400台、アメリカでも年間約3,000台と、セールス面では苦戦が続いています。
しかし、車両価格約700万円のクルマと考えると、クラス最高レベルの上質なインテリアと、ホンダらしい「気持ちのいいハンドリングと、優れた乗り心地」を両立したコストパフォーマンスの高いセダン、ということができるでしょう。事実、多くの時間を過ごすであろうインテリアは非常に快適で、シートやオーディオなども上質な仕上がり。走りに関しては、このクラス最高のハンドリングと快楽性を持ち合わせています。
外観が気に入れば、オーナーと長い時間を過ごすよきパートナーとなるでしょう。今後もマイナーチェンジによるさらなる熟成に期待したいですね。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
[ライター/守屋健]

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