コラム

どうしても陰の薄い存在だったマツダのミドルサイズミニバン「ビアンテ」だが実は走行フィールに関しては最強

それでは今週もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は2017年9月まで販売されていたマツダのミドルサイズミニバン「ビアンテ」です。

「走りの質感」はクラストップレベルだった


2008年7月に発売となったマツダ ビアンテは、要するにトヨタ ヴォクシー/ノアや日産セレナなどの超売れ筋ミニバンと同カテゴリーに入るモデルです。ただ、前記の「3強」があまりにも強いため、どうしても陰の薄い存在ではありました。しかし、こと「走行フィール」に関しては「ビアンテこそが最強!」という人も多いのです。
2008年登場の初期型が搭載したエンジンは2L直4のDISI(直噴)と2.3L直4の2種類で、駆動方式はFFと4WD。ただし2.3Lエンジン搭載グレードはFFのみでした。トランスミッションはFF版が5速ATで、4WD版は4速ATとなります。


ちなみに2Lエンジンの最高出力は151psで、2.3Lは165ps。2.3Lのほうの5速ATはステアリングシフトスイッチで変速できるマニュアルモード付きです。
ボディサイズは全長4715mm×全幅1770mm×全高1835mmで、ホイールベースはセレナとほぼ同等。そして当時クラス最長とうたわれた室内幅(1545mm)により、なかなか広大な室内空間を実現しています。
また3人がけの2列目シートを左右に分割できる「ウォークスルーモード」や、3列目シートの座面をチップアップし、2列目を最後端まで下げる「リビングモード」など、シートアレンジもまずまず多彩です。

2013年のマイナーチェンジで「SKYACTIV」に


2009年6月の仕様変更では、売れ筋グレードである20SのFF版にアイドリングストップ機構「i-stop」が搭載され、2010年12月の一部変更では全車にジャカード織のシートを採用することで、質感の向上が図られました。
しかしビアンテの最大のトピックはそこではなく、2013年5月のマイナーチェンジでしょう。というのもこのタイミングでビアンテのパワートレインは刷新され、FFの全モデルに高効率な直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と最新の6速AT「SKYACTIV-DRIVE」が与えられ、走行性能と燃費性能が大幅に向上したのです。
さらに、人気の装備である「電動スライドドア」と「スライドドアイージークロージャー」(いずれも両側)が全車で標準装備となり、日常の使い勝手もずいぶんと向上しています。
このマイナーチェンジの際に既存の2.3L版は廃止され、FF車はスカイアクティブ2Lのみに変更されました。ただし4WD車には従来型の2L DISIエンジンも残ったのですが。

中古車を買うなら後期SKYACTIVの一択!


さて、走りの質には定評があったマツダ ビアンテですが、ヴォクシー/ノアおよびセレナという3強の存在があまりにも大きく、さらにはマツダがそもそもミニバンではなくSUVに注力するという方針転換を行ったため、ビアンテは前述のとおり2017年9月で販売終了となっています。
そのため、これからビアンテを手に入れるとしたら「中古車」を探すほかないわけですが、その際は、どんな年式のどのグレードを選ぶべきなのでしょうか?
これはもう明らかに2013年5月以降の後期型、つまり「SKYACTIVテクノロジー」が採用された以降の年式を選ぶべきでしょう。なにせ走りの味わいも燃費性能も前期型とはぜんぜん違いますので、ここはもう「後期一択!」とするほかないのです。

狙い目は20S-SKYACTIVまたはグランツ-SKYACTIV


その場合に対象となるグレードと、その新車時価格は下記のとおりです。
●20C-SKYACTIV(FF)|227万8500円
●20S-SKYACTIV(FF)|249万3750円
●グランツ-SKYACTIV(FF)|259万8750円
価格を見ればだいたいおわかりのとおり、
・20C-SKYACTIV=ベーシックグレード
・20S-SKYACTIV=中間グレード
・グランツ-SKYACTIV=上級グレード
ということです。基本的に必要とされるだろう装備は全グレードで標準装備されていますので、「あまりグレードにこだわる必要はない」と言えなくもありません。
ただしベーシックな20Cはアルミホイールではなくスチールホイールで、ヘッドランプもディスチャージ式ではなくハロゲンだったりしますので、やはりちょっと寂しいものはあります。
それゆえ、せっかく中古車としてお安く狙うのであれば「どうせなら20Sまたはグランツで」と考えるのが正解だとは思います。

両グレードの価格差は意外と小さい

という前提条件を踏まえ、その2グレードの相場を見てみましょう。
●20S-SKYACTIV|約120万~約200万円
●グランツ-SKYACTIV|約120万~約210万円


新車時も両者の価格差は約10万円でしたが、中古車になってもそれはあまり変わらないようですい。つまり「だいたい同じぐらい」ということです。

こうなると、中古車としてのおすすめグレードは「基本的にはグランツ-SKYACTIV」ということになります。同グレードには下記の専用装備が付帯していますので、やはり満足度は高いだろうことが予想されます。
参考:ミニバン/ワゴン車/ワンボックスの買取専門ページです
・専用フロントバンパー(フロントロアグリル)
・専用メッキトップバー&アッパーグリル
・マフラーカッター
・専用リアフィニッシャーモール(シルバー)
・ブライトモールディング(フロントバンパー/サイドシル/リアバンパー下部)
・LEDリアコンビネーションランプベゼル(シルバー&ブラック)
・オーディオリモートコントロールスイッチ ステアリング
・インパネデコレーションパネル(ヘアライン)
・センターパネル(グロッシーダークグレー GRANZオーナメント付)
・スカッフプレート(フロント)
・16インチアルミホイール(高輝度塗装)
もちろん、上記のようなグランツ-SKYACTIVならではの「ちょっとイケイケな感じ」が逆に嫌だ、という人もいらっしゃるでしょう。その場合は、比較的シンプルな意匠でありながら、各種装備は十分以上に充実している「20S-SKYACTIV」を選ぶのが得策です。

グレード以上に「コンディション」を重視したい


いずれにしましても「好みの問題」ですし、中古車を買う場合はそもそも、新車とは違って「グレードうんぬんよりもコンディションとご縁が重要」という部分も大。
それゆえ、グレード決め打ちで臨むのではなく「とりあえず20S-SKYACTIVおよびグランツ-SKYACTIVの2グレードを候補とし、あとはコンディションや中古車価格を見ながら柔軟に対応する」というのが、これからマツダ ビアンテのユーズドカーを買うにあたっては正解となるはずです。
多少なりともご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]

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ユーズトカーラボ 編集部
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