メルセデス・ベンツが生んだ怪物、G63 AMG 6×6が、発表以来YouTubeなどの動画サイトも騒がせています。通称ゲレンデ、ベンツGクラスのクロカン車の特別仕様車なのですが、あまりに特別すぎる風貌と、特撮映画のようなオフロードパフォーマンスには衝撃を受けます。
まず最大の特徴として、このオフローダーにはタイヤは6本装着されています。6個のタイヤには3本の車軸があるわけで、それぞれの車軸の間に合計5台の、ロック機構を備えたデフが設置されていて、ドライバーが3つのスイッチを操作することで、トラクションの調整が可能になるという仕組みです。これらが全長約6m、横幅が2m以上、車高約2.3mという車体に取り付けられた威容は、まさにメルセデス・ベンツ自身が呼ぶようにモンスターじみています。
怪物仕様のG63 AMG 6×6
エンジンはAMGによるV8 5.5Lの直噴ツインターボ仕様、トランスミッションも同じくAMG製の7速A/、最大出力は400kw、最大トルクで760Nmをほこります。更に、防弾仕様技術から派生したポータルアクスルという機構により、最低地上高460mm、渡河深度はなんと1000mm。更に更に、それぞれのタイヤにエアタンクが付いており、操縦者がタイヤの空気圧を運転しながら変更できてしまいます。これにより、悪路に対応して最適のタイヤ接地面積〜例えば砂漠走行では空気圧を落として車体の沈みこみを軽減するなど〜を簡単に調整することが可能となります。
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ここで冒頭の動画の話に戻りますが、このモンスター・オフローダーの数々の走行動画が、本当に大迫力なのです。岩場はよじ登る、河は水を飛び散らしながらグイグイ渡りきる、勢い余って空中に高く飛び上がっても、平気な顔で着地してそのまま走り抜けて行ってしまいます。ちなみに、そのタフなサスペンションには強化コイルスプリング+ラリーレースで使用するガス封入ダンパーを採用しているとのことです。
こんなゴツすぎる車、どんなタフガイならば乗りこなせるのか、と不安になりますが、インテリアを見てみると、またイメージが一変します。シートを始めダッシュボードなども高級皮がほどこされ、シートヒーターとシートベンチレーターも設定されているラグジュアリーさ。また、数々の(とてもエキサイティングな)試乗レポートによると、衝撃や揺れもしっかりと車体で吸収してくれるために、驚くほど衝撃や揺れは少なく、車内では快適に運転に集中できるのだそうです。
この怪物ラグジュアリーマシン、アジアでは日本だけで販売してくれるそうですが、2014年の受付台数はたったの5台。お値段8000万円とのこと。この車、果たしてどんな人が何処で運転しているのでしょうか。日本販売車には、道路事情を考慮して特別に360°カメラをつけてくれているそうです。
[ライター/SUVラボ編集部 画像出典/youtube]