2016年で生産が終了、その67年の歴史に幕を下ろしたのがランドローバーディフェンダーです。そのヘビーデューティーなモデルはまさに「ランドローバー」そのもの。道無き道を名実共に切り開いてきた歴史あるクルマでしょう。日本には一時正規輸入されたことがあり、今でもファンの多い1台と言えるでしょう。そんなランドローバーディフェンダ−、ドイツでも走っているのですね。ドイツからのレポートです。
ディーゼル仕様のランドローバーディフェンダー
バッジなどははずされていますが、どうもこのクルマの挙動などから判断するに、ディーゼル仕様のようだということです。ショートホイールベースは90シリーズと呼ばれ、前後2列4人掛けか2シーターが設定されているようですが、かつて日本に輸入されたものには、この90シリーズにディスカバリーに搭載されていたオプションのガソリンV8エンジンと、やはり特別装備のオートマチックを組み合わせ、乗車定員は前2席+後席対面4席の6人乗りと言う仕様が二度にわたり限定輸入されたことがありました。そのあとしばらくして、後部にもドアのある110シリーズのディーゼルエンジン仕様がディーゼルの規制のかかっている地域以外で販売されるというユニークな売り方で日本に導入されたことがありました。その前後から国内には複数のランドローバーを精力的に国内に紹介する会社が複数存在し、並行輸入でよりユーザーの希望に添ったモデルを日本に輸入していました。
ランドローバーディフェンダーというのはそういうクルマ
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実はボディタイプ、調べてみると結構いろいろあるようですね。ピックアップトラックでも荷台の独立したタイプと、ボディと一体型になったもの、長さの違いなどで様々ですし、窓の数や座席数などで多岐に渡り、ボディサイズでも長さに応じてここに出てきた90、110のほか130なども存在します。さらにこれらをベースにした、(主に戦地などを想定しているとは思いますが)救急車、レジャーというよりは、研究調査活動等での宿舎を想定したようなキャンピング仕様など、実に豊富なバリエーションが存在するようです。
人は哀しいかな争うもの、傷を追い、病に伏すもの、そして知らないことがあれば知りたくなるものです。そうした「因果な人間の行動」のそばにいつもあるクルマ。まさにランドローバーディフェンダーというのはそういうクルマだということが出来るでしょう。もちろん英国発祥、毛織物にも使われた、羊飼いや、領地の中で狩りをする貴族たちのアシに活躍。そういうところが期限なのだとは思いますが、私たち人間が、自分たちの住む環境を一応「文明社会」といえるようなものにしてきた過程を、一番そばで見守っていたクルマ。その歴にし幕がおりる、というのはやはり寂しいものですね。
[ライター/SUVラボ編集部 カメラ/ドイツ駐在員]