コラム

しかしSUVという乗り物はなぜ素晴らしいのか。自動車ライター伊達軍曹がひも解く

このたびなぜか「SUVラボ」の所長にめでたく就任した自動車ライター(※輸入中古車400勝)の伊達軍曹と申す者であります。いやしかしSUVという乗り物は本当に素晴らしいと、ここ最近は毎日実感しておる次第です。
SUVの何が素晴らしいってアナタ、それは「万能である」ということですよ。

SUVの素晴らしさ。それはやはり「万能性」でしょう!

もちろんスポーツカーみたいな「一芸系」も、それはそれで素晴らしい。しかしながら昨今は一芸系よりも「万能系」に魅力を覚える人のほうが圧倒的に多いはずです。デフレの影響でしょうか? わかりませんが、かく言うわたくしもそれまでの一芸生活(スポーツカーに乗る日々)をスパッとやめ、SUVの万能性にうっとりする穏やかな日々を送っております。
さて、世の中にはさまざまな車種の、さまざまな万能SUVがありますゆえ、それらの魅力を1車種ずつ(週イチぐらいのペースで)僭越ながらご指南していこうというのが、わたくしが担当するこのコーナーであります。
で、一発目は「現行スバルXV」です。
このSUVはわたくしも自腹で買い、私物として乗っておりますが、まぁ本当に「ほぼ万能」な素晴らしいSUVですよ。
なぜ「万能」ではなく「ほぼ万能」と表記したかについては後ほどご説明しますが、まずはその万能っぷりを一つずつ見てまいりましょう。

普段走るオンロードでは超快てビジュアルもGood


まず「オンロード性能」。……SUVというといきなりオフロード性能が語られがちですが、一部の人を除けば、大半のSUVユーザーは「主に舗装路を走り、たまに(釣りとかキャンプで)オフロードも走る」というニュアンスであるはずなのです。であるならば、まず語るべきはオンロード性能でしょう。
で、現行スバルXVのオンロード性能ですが、素晴らしいですよ。あの走りはもうほとんど「群馬アウディ」とでも呼ぶべきレベルです。(※群馬アウディというのは、群馬県太田市で作ってる国産車なのに、まるでアウディみたいな感触で走る……という勝手な造語です)。
詳しい説明はよそのサイトに山ほど載ってると思いますので割愛しますが、この世代から採用されたSGP(スバルグローバルプラットフォーム)という完全新設計のシャーシがもたらす安定っぷりは、比較的背が高いSUVとはぜんぜん思えないほどです。XVを買う前、別件の取材でSUBARUのエンジニアからSGPの素晴らしさについてこんこんと聞かされたのですが、買ってみて思ったのは「あの話は本当だった!」ということです。

スバルならではのシンメトリカルAWD(フルタイム4WD)も、当然ながら基本的にはオフロードでその本領を発揮するわけですが、普通の舗装路であっても、大雨の日とか強風の日とかにかなりの威力を発揮します。そうった悪条件の日でも「ふらついて怖い」みたいなことがほとんどないのですよ。それゆえ、ここは騙されたと思って(別に騙しませんが)現行XVに一度は試乗してみてほしいところです。
そして万能性に関する第2のポイントは「ビジュアル」です。もちろん人にもよるでしょうが、オフロード性能よりビジュアル(雰囲気)のほうがSUVにとっては重要であるというのは、一般的な自動車評論家や真面目すぎるカーマニアがあまり語りたがらない真実です。
で、現行スバルXVはそのビジュアルが素晴らしい。もちろん「素晴らしい」というのはわたくしの主観に過ぎませんので、あなたがどうお感じになるかは知りません。が、変にキラキラしてない落ち着きがある基本デザインのなかに、黒の樹脂パーツで「道具っぽいおしゃれ感」を加えた先代XVからのデザインは、かなり秀逸であるとわたくしは思っています。正直申し上げてちょっとダサいデザインである場合が多いスバル車のなかで、先代および現行のXVは「突然変異の帰国子女」みたいな特例だと言えましょう。

「それでいてけっこう安い」という大きなポイント


そのほか、これは言うまでもないと思いますが「オフロード性能」も抜群です。ちょっと前の冬場に恒例の「SUBARUゲレンデタクシー」がスキー場のゲレンデで実施され、そこに現行XVも登場していましたが、あれ、タイヤはもちろんスタッドレスに替えられてますが、その他は完全ノーマルですからね。それで、あれだけの走りができてしまうのですから大したものです。よっぽどの荒野か超絶豪雪地帯にお住まいの人でない限り、XVのオフロード性能に不満を覚えることはまずないでしょう。
で、これも言うまでもないことですが「積載性」も十分です。まあね、そう大柄なSUVではないですから、人によっては荷室や後席の広さに不満が出る可能性はあります。が、でっかい荷物をしょっちゅう載せるという人や、「大柄な人ばかりの大家族」みたいな人でない限り、おおむねOKなはずです。
わたくしとしては、それら以上に強調したい万能ポイントとして「安い!」ということをぜひとも挙げたいですね。
そう。現行スバルXVは、ここまでご説明してきたとおりのステキなSUVであるにもかかわらず、けっこう安いんですよ。
新車で買うとすると、オススメとなる2.0i-Lまたは2.0i-Sは車両本体価格が248万4000円~267万8400円。これにオプションと諸費用を加えて、しかし「値引き」分を差っ引くと、だいたいですが「300万円ちょいぐらい」でイケるはずです。300万円ちょいというのは決して「はした金」ではありません。しかし「ステキな高性能SUVの代金」としてはかなり破格ではないでしょうか。
「中古車でもOK」というなら、さらにお安いですよ。総額260万~280万円ぐらいで、いわゆる登録済み未使用車みたいなのが買えるはずです。色や装備が自分で選べないというのはマイナスポイントですが、そこをあまり気にしないのであれば「中古の現行XV」というのも大いにアリでしょう。
参考:SUV/RV車/クロカンの買取専門ページです

ただし実燃費は競合車種よりやや劣るかも


以上のとおり「ほぼ万能!」な現行スバルXVなわけですが、「万能」ではなく「ほぼ万能」というのは、燃費とパワートレインの問題があるからです。
XVが採用している水平対向エンジンというのは正直、燃費性能は決して超良好ではありません。例えばわたくしの私物である2.0i-Lのカタログ燃費は16.4km/Lですので「クラス標準」といった感じなのですが、実際の燃費は12km台/Lといったところです。
もちろん、わたくしは主に東京都内で使っていますので、もっと空いているエリアにお住まいのXVユーザーの場合は「14km台」とか「カタログ値以上」みたいな人もザラにいらっしゃいます。ただ、総じて「超絶好燃費ではない」という傾向はあるはずです。ここをどう考えるか? 判断は人それぞれでしょう。

また「2L自然吸気エンジン+CVT」というパワートレインに対して文句がある人もいるようです。「どうせなら直噴ターボ+多段ステップATにしてほしかった!」と。
まぁそれも一理ある意見だと思いますが、実際使っている身として言わせていただくと「別にどうってことないですよ」という感じです。サーキットでタイムアタックするわけじゃないですし、ましては最近のニッポンの道路はほとんどの人が(昔と比べれば)ゆっくりめに走ってますので、そういった状況のなかでは「2Lの現行XVでも十分以上にパワフルかつ快適である」と、わたくしは心の底から思っています。
ということで現行スバルXV。気になる方は、新車でも中古車でも、とにかく一度チェックしてみてください。そして現行XVの買取相場はまだイマイチわかりませんが、先代XVの現時点での中古車相場を見る限りでは、現行XVは買取相場のほうも今後、結構な高値キープが期待できるんじゃないかと思いますよ(もちろん状態次第)。
[ライター/伊達軍曹]

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ユーズトカーラボ 編集部
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