コラム

今も昔も「いつかはクラウン」!フルモデルチェンジで魅力を増した、トヨタを代表する高級セダン「クラウン」のおすすめグレードは?

みなさん、こんにちは!今回は、トヨタを、そして日本を代表する高級セダン、クラウンについて紹介します。すでに半世紀以上の長い歴史を持つ伝統的なクルマで、2018年にデビューした現行型で15代目となります。
この記事では、先代から大幅な進化を遂げた現行型を中心に、クラウンの魅力に迫っていきたいと思います。また、セダンラボが推薦するベストバイグレードも併せて紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

純国産車として生まれた初代モデル


クラウンは、オーナードライバー向けの高級車として、その時代ごとの消費者の声に応えながら進化を続けてきました。伝統的に官公庁の公用車や、企業の社用車として使用されたり、また高い信頼性や耐久性を持ち合わせていることから、タクシー、ハイヤー、パトカー、教習車としても使用されたりする場合が多い車種です。
クラウンの初代モデルがデビューしたのは、1955年のこと。海外のメーカーと技術提携を結んで開発するのが一般的だった時代に、クラウンはエクステリアデザインも含め純国産で開発が勧められた、エポックメイキングな一台でした。アメリカにも左ハンドル仕様が早くも輸出され、トヨタの対米輸出車第一号となりましたが、信頼性不足やパワー不足に悩まされ、一度アメリカ市場から撤退の憂き目にあっています。
その後は比較的短いスパンでモデルチェンジを繰り返していきますが、転機となったのは2012年発売の14代目モデル。顧客層の若返りを狙って、稲妻のような切り込みの入ったフロントグリルを採用したり、ドラえもんの「どこでもドア」をモチーフにしたピンクのボディカラーを限定発売したりと、何かと大きな話題を呼びました。
参考:セダンの買取専門ページです
2018年にデビューした現行型は、そこまでデザイン面での大きな冒険はせずとも、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツといったドイツ車のセダンを買うような層を取り込むべく、「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本性能を一つ一つ見直し、高めています。
次の項目で、現行型クラウンについて詳しく解説していきましょう。

15代目に当たる現行型クラウン


現行型クラウンは、伝統的なレイアウトのFRセダンで、4輪駆動車もラインナップされています。ボディサイズは、全長4,910mm、全幅1,800mm、全高1,455mm(FRモデル)となっていて、先代モデルに比べて全長が15mm、ホイールベースに関しても70mm延長されています。ボディサイズでのポイントは、先代モデルから引き継がれた1,800mmという全幅。このクラスの大型セダンが軒並み1,800mmを大きく超える中、クラウンはあくまでこのサイズ感を守っています。プロポーション的にももっと全幅が大きい方が映えるのですが、見た目よりも日本の道での使い勝手を重視して、あえてこのサイズに収めています。古くからの日本のユーザーに配慮した設計と言えるでしょう。
エクステリア面では、クラウン伝統の太いCピラーを廃止して、近年流行しているクーペを思わせる滑らかなファストバック風シルエットを採用。細くなったCピラーにもガラスを配して「6ライトウインドゥ」と呼ばれるデザインとなっています。
採用されるエンジンは、2リッターの4気筒ターボエンジン(245ps)、2.5リッターの4気筒エンジン(184ps)とモーター(143ps)のハイブリッド、そして3.5リッターのV型6気筒エンジン(299ps)とモーター(180ps)のハイブリッドの3種類。メインは4気筒ハイブリッドで、最も強力なV6のハイブリッドモデルは、レクサスの「LS」「LC」とも共通のエンジンとなっています。
サスペンションに関しては、初代から受け継がれたフロントのダブルウィッシュボーン式を改め、前後輪ともマルチリンク式に進化しました。「TNGA」に基づく「GA-Lプラットフォーム」を採用し、剛性を高めたこのボディを、世界一過酷と言われるサーキット、ニュルブルクリンクで走りこむことで徹底的に熟成。ドイツのライバルたちにも負けないハンドリングや乗り心地を実現しています。
グレード構成に関しては、先代モデルまでの「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」の3グレード構成が整理され、「ロイヤル」を引き継ぐ標準仕様の「B」・「S」・「G」・「G-Executive」と、「アスリート」を引き継ぐRS仕様の「RS-B」・「RS」・「RS Advance」の二つに大別されました。四輪駆動モデルに関してはFourの名称が付きます。
RS仕様は、標準仕様に対してよりスポーティなグレードとして位置付けられ、専用フロントスタビライザーによりロール剛性を向上し、ステアリングの反応性も向上させています。また、リニアソレノイド式「AVS」、リヤスポイラーを採用するほか、18インチアルミホイール&タイヤを装備しています。

ズバリ、おすすめグレードは?


クラウンの公式サイトを開くと、グレードの幅広さに圧倒されて、どのモデルを選べば良いのか迷ってしまうほど。ここでズバリ、セダンラボが推薦するおすすめグレードを紹介しましょう。
標準仕様の2リッター・2WD、「S “C package”」です。
このグレードを選ぶ際のコンセプトは「現行型クラウンの高い走行性能をさりげなく、最もピュアに楽しむ」です。エンジンの選択には迷うところですが、ここは最も軽量で、かつ自然で心地よい吹け上がりが特徴の2リッターエンジンを選択。トランスミッションについても、2リッターエンジンに組み合わせられる8速オートマチックが最もダイレクト感がありつつショックも少なく、完成度も高いです。駆動方式は2WDを選択することで、剛性が高められたボディを「素のFR」でシンプルに楽しみたい、走りの爽快感や喜びを味わいたい、という方にぴったりのチョイスとなっています。
ちなみに、RS仕様を選択しなかった理由は、RS仕様の乗り心地があまりにもハードなのと、18インチホイールよりも「S」に採用されている17インチホイールの方が、現行型クラウンによくマッチしているから。乗り心地を維持したまま、しっかりとしたハンドリングを実現しているのは、ニュルブルクリンクでの走り込みの成果もあるのでしょう。
「S “C package”」を選択した理由は、装備と価格のバランスが最も取れているから。この下の「B」になると、ステアリングがウレタンになってしまいますし、この上の「G」になると、後席の装備の充実にコストが割かれるようになります。ちなみに“C package”では、カラーヘッドアップディスプレイなど、細かい部分での装備に違いがあるので、安全性を高める面からもぜひ“C package”を選択したいところ。
この仕様の価格は494万1千円から。アウディ・A4、BMW・3シリーズ、メルセデス・ベンツ・Cクラスのベーシックな仕様とだいたい同じくらいの価格帯となるでしょうか。そうしたモデルにも劣らない走行性能と、日本生まれならではの、日本での使用をきちんと考えたパッケージは、今まで外国車を選んでいた方にとっても魅力的な選択肢となるのではないでしょうか。

「初代コネクティッドカー」を標榜


現行型クラウンは、トヨタで初めて車載通信機DCMを全車に標準搭載し、「初代コネクティッドカー」を名乗っています。T-Connectサービスは3年間無料され、「ヘルプネット」「eケア」といった安全・安心をサポートするサービスのほか、「オペレーターサービス」をはじめとしたカーライフを快適にするサービスを受けられます。
また、スマホを利用したサービスも充実していて、スマホアプリで目的地を登録できる「LINEマイカーアカウント」や安全・エコな運転度合いをスマホで確認できる「MyTOYOTA for T-Connect ドライブ診断」も始まります。専任のオペレーターサービスなども、それまでレクサスや海外のプレミアムブランドでは存在していましたが、クラウンにまで利用可能となると、これからますますクルマの使い方・価値観が変わっていきそうですね。

これからも「日本の高級車」として


現行型クラウンは、当初月産目標台数を4,500台に設定していたものの、販売からの一ヶ月で約30,000台という、約7倍の受注を獲得。非常に好調なスタートダッシュを切りました。今後もマイナーチェンジなどで、ますます完成度を高めていくことでしょう。
それまでの保守的な4ドアセダンから、スポーティな外観と、正確なハンドリング、そして優れた乗り心地をも兼ね備えたスポーツサルーンに華麗な変身を遂げたクラウン。かつてから使われてきたキャッチコピー「いつかはクラウン」が今もまだ通用することは、特筆に値しますね。これからも、日本を代表する高級車として長く活躍していくことでしょう。
[ライター/守屋健]

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ユーズトカーラボ 編集部
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