それでは今回もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今回のお題は2004年12月に発売された5ナンバーミニバン、「日産ラフェスタ」です。
開放感は抜群な5ナンバーサイズミニバン
日産ラフェスタは、2001年から2004年まで販売された「リバティ」の後継モデルに相当するミニバンで、5ナンバー枠に収まるボディに3列7人乗りシートを擁し、2Lエンジンを積んだピープルムーバーでした。競合となる車種は、当時のトヨタ ウィッシュおよびホンダ ストリームです。
登場時のキャッチフレーズは「SHIFT_open feeling(開放感を、シフトする)」というもの。ルーフの大部分をカバーする「パノラミックルーフ」がほぼ全車に標準装備され、ウィンドウスペースも広く採られていたため、ラフェスタは確かにすべての乗員が開放感を楽しむことができる作りでした。
ボクシーなボディの両サイドにはリバティ譲りのスライドドアを備え、2列目のチャイルドシートへアクセスしやすくした「ベビーフレンドリーモード」など、多彩なシートアレンジも用意していました。
パワートレインは2L直4ガソリンエンジン+CVTで、駆動方式はFFと4WDの両方を用意。登場時のラインナップは下から「20S」「20M」、そしてアウトドア向けとした「PLAYFUL(プレイフル)」の3種類で、それぞれ外観によって差別化が図られました。
一部改良を重ね、2009年にはグレード名も変更
2005年8月にはスポーティな外観の「ハイウェイスター」を追加。ちなみにこれは、2011年に登場したマツダ プレマシーのOEMモデルである「ラフェスタ ハイウェイスター」とは別物で、こちらのハイウェイスターはあくまで日産ラフェスタの1グレードです。
で、こちらのハイウェイスターは専用エアロパーツや16インチアルミホイールなどを採用し、インテリアには専用のブラックシートとホワイトメーターなどを装着。加えて前後サスペンションを専用チューニングにすると同時に、リアサスペンションにはリップルコントロールショックアブソーバーを採用することで操縦安定性と乗り心地を向上させました。
そして同年12月には一部改良が行われ、内外装が少し変更されるとともに、ヘッドランプ関係も微妙なレベルで変更されています。
2007年5月にはやや本格的な「お化粧直し」を実施。具体的には前後のグリルとランプ、バンパーなどのデザインをあらため、インテリアではシート形状と生地を変更し、ドアのトリムにクロスを採用しました。さらにメーターまわりをシルバーの2連リングで飾り、機能面では、燃費などの情報を表示する「液晶オド・ツイントリップメーター」を装備しました。
2009年12月にまたもや行われた一部変更では装備を微妙に変更し、同時にグレード名を「20S→JOY X」「20G→JOY G」に、それぞれ改めています。
参考:日産ラフェスタを売るなら専門ページへ
だが2012年12月にはあえなく販売終了
このように細々と改良を加えながら販売が続けられた日産ラフェスタでした。しかし2011年6月にハイウェイスターが前述のとおりの「マツダ プレマシーのOEM版」へとフルモデルチェンジされると、本家である初代日産プレマシーのほうは「JOY X」のみにラインナップを縮小。そして2代目のラフェスタ ハイウェイスターと区別する目的で車名を「LAFESTA JOY(ラフェスタ ジョイ)」と変更しました。
しかしながら、低床5ナンバーミニバン全体の人気低迷の流れには逆らえず、日産ラフェスタは2012年11月には生産終了に。そして同年12月には販売のほうも終了となりました。
中古車を探すなら「車両50万円」がひとつの目安
以上のような流れで日産ラフェスタは販売終了となってしまったわけですが、現在、その中古車はまずまず豊富に流通しています。具体的には2019年12月半ば現在、カーセンサーnetにおける掲載台数は249台。それが日本全国に散らばっていますので、ある程度容易に探すことができます。
現在の中古車相場は底値が5万円で、最高値が99万円。ちなみに最高値を付けている物件は走行3.0万kmの2012年式ハイウェイスターGのワンオーナー車です。
そのような個体であればかなりコンディション良好であることが期待できますが、その半面、「今さらラフェスタに99万円かぁ……」という思いも正直あります。それに99万円というのはあくまで車両本体価格ですので、支払総額は110万円くらいになるはずです。
古めのミニバンに100万円以上を投じるのも決して悪くはありませんが、本音を申し上げれば、もっと手頃な総額で手を打ちたいというのが人情というものでしょう。
その場合は「車両価格おおむね50万円」くらいの線を狙ってみると、まずまずいい感じの買い物ができるのではないかと思われます。
2019年12月半ば現在、車両50万円前後のゾーンで探すことができる日産ラフェスタは、2010年式あたりのハイウェイスターまたはJOY X。走行距離は千差万別で、1万km台のものから5万kmぐらいのものまでが混在しています。
走行距離だけに注目するのではなく、全体としてのコンディションと整備履歴を重視して探せば、まだまだ「悪くない感じの一台」は十分見つかるはずです。お近くの販売店複数で、週末にでもじっくり探してみてください。
[ライター/伊達軍曹]