中古車情報誌や自動車専門誌で長年にわたって、ライティング・編集に携わられた後、現在はフリーランスのライターとして活躍されている荻原文博さんから寄稿いたただきました。 長年にわたって蓄積された車に関する見識は一読の価値があります
BMWのエントリーモデルBMW1シリーズ
BWWのモデルラインナップの中で、エントリーモデルといえるのが今回紹介するBMW1シリーズです。
プレミアムブランドという敷居を下げた1シリーズはVWゴルフやメルセデス・ベンツAクラスといった車種がライバルとなる約全長4.3mのボディサイズをもつコンパクトカーです。
BMW1シリーズの5ドアハッチバック車は2004~2011年まで販売されたE87系と呼ばれるモデルと2011年に販売開始したF20型と2つのモデルがあります。
BMWのこだわりが1シリーズにあらわれています
最新の中古車相場を見てみると、2004~2011年の先代モデルが40万~280万円、2011年からの現行モデルが148万~524万円(カーセンサーnet調べ)となっています。
BMWの掲げる“駆け抜ける歓び”を気軽に味わいたいという人たちにとって100万円以下から購入できる先代の1シリーズがオススメです。
先代の1シリーズは2004年9月に登場しました。ライバル車となるVWゴルフやメルセデス・ベンツAクラスがスペース効率の良いFF(前輪駆動)を採用する中、この1シリーズだけは上級モデルの3シリーズと同じFR(後輪駆動)を採用しました。
これはエントリーモデルのコンパクトカーとはいえ、BMWのエンブレムを装着するモデルは気持ちの良い走りを実現させなければならないという自動車会社の強いこだわりを感じます。 事実、実際に1シリーズをドライブしてみると、自分の思うがまま走ることができ、自分の腕が上がったように感じるほど楽しく運転できるのです。
グレードは車両本体価格が300万円を切った1.6L直4エンジンを搭載した116をはじめ、2L直4エンジンを搭載した118iと120i、そしてパワフルな3L直6エンジンを搭載する130iの4種類があります。 そしてミッションは130iが6MTと6ATを用意し、そのほかは全車6ATのみとなっています。
BMW1シリーズの中古車流通の実情と相場について
では、現在の先代1シリーズの平均価格の推移を見てみましょう。3月の時点で124万円だった平均価格は順調に値落ちし、現在は116万円まで下がっています。 加えて中古車の流通台数も約600台近くあり、探しやすく買い時となっています。
中古車物件のグレードを見ると、全年式を通じて116iが多く流通しています。その一方で、パワフルな130iはかなり少なく、見つけるには時間がかかりそうです。
オススメのグレードは流通台数が多い116iで、その116iに専用サスペンションンやエアロパーツを装着したMスポーツならばBMWらしい走りを堪能できます。
BMWの1シリーズを中古車で買う際の注意点
BMWの中古車を購入するときの注意点として挙げられるのが、ブレーキパッドやディスクの消耗、そして装着されているランフラットタイヤの消耗がまず挙げられます。輸入車の場合ブレーキはパッドだけでなく、ディスクも消耗品として考えられていますので、走行距離の延びた中古車では交換が必要となります。 そして1シリーズはパンクしても約80kmは走行できるランフラットタイヤを装着しています。このタイヤは通常のタイヤよりかなり高いので交換にはそれなりの出費が伴います。
また、しなやかな乗り味を実現させるサスペンションなどのパーツも消耗していることが多いので購入時に確認をしたほうがいいでしょう。
チェックする部分は多いと感じるかもしれないですが、BMWの走りは他のメーカーでは変えられないものです。ぜひ、この機会にBMWオーナーになって駆け抜ける歓びを体感してください。