それでは今週もさっそくおすすめSUVに関する研究を進めてまいりましょう。今回のお題は、直近のデータである2018年11月度の販売ランキングでもSUVの4位に入っているトヨタの人気SUV「ハリアー」の中古車についてです。
ハリアーの登録済み未使用車はけっこう多い
基本的には新車を中心に研究を進めている当ラボですが、世の中には中古車というモノもありますので、そちらのほうもいちおう検討してみない手はありません。
とはいえ、中古車に対して抵抗がある人もいらっしゃるでしょう。その気持ちはわからないでもありません。
しかし「ほとんど新車みたいな中古車」、つまり昔は新古車と呼ばれ、近年は「登録済み未使用車」と呼ばれているような中古車ならばどうでしょうか?
新車と違って色や装備を完全な自分好みにはできないという難点はありますが、もしも新車価格より断然安いのであれば、登録済み未使用車は一考の価値があるのではないかとも思います。
そしてハリアーの登録済み未使用車ですが、これが実は結構たくさんあります。完全に正確な数字ではありませんが、筆者が調査した限りでは2019年1月現在、全国で250台以上が流通している模様です。で、当然ですがそのプライスは新車のハリアーよりもお安い水準である場合がほとんどです。
……でも、それって本当にお買い得なのでしょうか?
ということで、「登録済み未使用車系ハリアー」についての調査を開始したいと思います。
調査の結果、最廉価グレードの未使用車は「微妙」という答えに
まず、価格的にもっとも狙いやすいのは最廉価グレードである「2Lノンターボのエレガンス」です。これの新車価格が294万9480円(2WD)で、支払総額はおおむね340万円ほどになるのに対し、登録済み未使用車の相場は車両価格が260万円前後で、支払総額は290万円前後といったイメージです。
……新車と比べて実に50万円ほどお安いわけですが、実はコレ、ちょっと微妙です。
というのも、この手の登録済み未使用車というのはカーナビレス/オーディオレス状態での価格表示である場合がほとんどだからです。そのため実際は、この総額に15万円とか20万円、あるいは30万円以上のナビ代金を加えたものが「真の総額」となるわけです。
仮にナビ代を20万円としてみると、登録済み未使用車のほうの支払総額はおおむね310万円。新車の予想総額である「340万円」と比べて安いといえば安いですが、あまり差はないといえばない……という、なんとも微妙な気持ちになってしまうプライスだと言えるでしょう。
そのため、もしもハリアーの登録済み未使用車を探すのであれば「2Lノンターボのエレガンス」はあまりおすすめできません。もっと上のグレードを探してみるべきでしょう。
2Lターボの中間グレードも圧倒的にお買い得ではない
それでは、もっと上のグレードである「2Lターボのプレミアム(ターボの中間グレード)」で考えてみます。2Lノンターボのエレガンスはパワー的にも装備内容も正直ちょっと微妙なのですが、コレであれば何かとほぼ満足できる仕様であることは間違いありません。
で、2Lターボのプレミアムの新車価格は351万9720円ですから、なんだかんだで支払総額は410万円ぐらいになります。
それに対して登録済み未使用車のほうは車両330万円前後、支払総額350万円前後というのがだいたいの相場です。
お安いです。が、先ほどのエレガンスのところでも触れたように、この総額はナビ無し/オーディオ無しの価格である場合がほとんどですので、実際はここに20万円ぐらいをプラスして考える必要があります。となると、登録済み未使用車のほうの真の総額は「だいたい370万円ぐらい」ということになります。
新車の総額との差は約40万円という計算になるわけですが……これも少々微妙かもしれません。
色や装備を完全な自分好みにできるという新車のメリット、あるいは新車ならではの「値引き」のことも考慮すると、約40万円差を押してでも新車を買ったほうが結局はシアワセになれるのでは……とも思えてなりません。
未使用車も悪くはないが、新車の値引き交渉を頑張るのが得策かも
その他、さらに高額なハイブリッド車の登録済み未使用車も検討してみようと思いましたが、そちらは未使用車がほとんど出回っていません。今狙える未使用車は、ここまでに紹介した「2Lノンターボのエレガンスまたはプレミアム」と「2Lターボのエレガンスまたはプレミアム」がほとんどなのです。
となると、結論は見えてきました。
「ハリアーの場合に限って言うと、登録済み未使用車狙いは決して間違いではない。が、絶対的な正解でもない」というのが今回の結論となります。
「1円でも安く!」というのは大げさでしょうが、例えば「1万円でも安く買いたい!」と考える人は、登録済み未使用車を探してみるのも決して悪くはないでしょう。
しかしそこまで圧倒的なロープライス志向ではないのなら、おとなしく近所のディーラーさんに行き、自分好みの仕様を注文し、そして値引き交渉をちょっと頑張ってみる……というのが、客観的に見た場合の正解になるのではないでしょうか。
ということで、ご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]