コラム

オンロードにおける欧州仕込みのシュアな走りが高く評価されていた日産のCセグメントSUV「デュアリス」を今買うなら

それでは今週もさっそく「おすすめSUVのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は2007年から2014年まで販売された日産のCセグメントSUV「デュアリス」です。

欧州ではキャシュカイ (QASHQAI)という車名で発売


デュアリスは当時の日産の「欧州戦略車種」として開発されたSUVで、欧州市場での人気車であるフォルクスワーゲン ゴルフやルノー メガーヌあたりを競合車種として見据えていました。
日本でデュアリスとして発売する前に、まずは欧州で「キャシュカイ (QASHQAI) 」という車名で発売。これの製造は英国日産自動車製造会社 (NMUK) のサンダーランド工場で行われました。
搭載エンジンは直列4気筒で、欧州のキャシュカイは1.6Lおよび2Lのガソリンと、1.5Lまたは2.0Lのディーゼルを設定。トランスミッションは5MTと6MT、そして6速ATおよびCVTが用意されていました。

満を持して「デュアリス」の名で日本上陸


そして2007年5月、キャシュカイは「デュアリス」と名前を変えて日本市場でもデビューしました。
デュアリスは「SUVとコンパクトハッチバックのクロスオーバー」といえるモデル。SUVの見晴らしの良さとスタイリング、そしてハッチバックの軽快さと取り回しの良さを兼ね備えています。
外観はボディ下部を黒で処理した力強いSUV的スタイリング。インテリアも黒を基調とし、航空機のコックピットをイメージしたスポーティな仕上がりでした。
欧州のキャシュカイにはさまざまなエンジンが用意されていましたが、日本仕様のデュアリスは2L直4ガソリンの1種類。トランスミッションも、700パターンから最適な変速を選ぶ新開発のCVTに一本化されました。
駆動方式は2WDと4WDがラインナップされましたが、「あくまでもシティユースがメイン」という想定であったため、中心となったのは2WDモデル。優れた空力のボディはリア回りを中心徹底的に強化。レースで有名なザックス社と共同開発したショックアブソーバーも、前期型デュアリスの特徴のひとつでした。

2010年のマイナーチェンジで「後期型」に


2009年9月には一部改良を実施し、フロントグリルのデザインを一新するとともに、サイドクロームメッキモールやフロントフォグランプを標準装備。さらにベージュシートやHDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムをメーカーオプションで設定しました。
同ナビゲーションシステムには12セグ/ワンセグ自動切換え機能付き地デジチューナーが内蔵され、iPodも接続できるなど、エンターテインメント機能も充実したのが大きな特徴です。
そして2010年8月にはマイナーチェンジが行われました。内外装デザインを一新することで高級感をアップさせると同時に、燃費性能も向上。「エコドライブ支援機能」などが追加されたのもこのタイミングです。

エクステリアでは、フロント中央にワイド感を強調したV字アクセントを配し、アウトサイドドアハンドルにもクロームメッキを採用。ボディカラーも全色入れ替えられ、ブリリアントホワイトパールを含む全6色に変更されました。
インテリアは大径メーターを採用することで視認性が向上。メーターパネル中央には、瞬間燃費やメンテナンス必要時期などの情報を表示する「車両情報ディスプレイ」が新たに配置されました。
またエンジンやCVTの制御を変更したことで燃費が向上し、全グレードが当時のエコカー減税の対象に。さらにはドライバーのアクセル操作を補正することで燃費の良い発進をサポートする「スムーズ発進アシスト機能」や、エコドライブをサポートする「ECOモード機能」、加速時のエンジン回転数を制御する「スマートレブコントロール機能」、ナビゲーション(カーウィングスナビゲーションシステム装着車)からの道路情報でエンジンブレーキをコントロールする「ナビ協調変速機能」なども新たに装備されました。

その中古車を狙ってみるのは今なお悪くない選択


オンロードにおける欧州仕込みのシュアな走りが高く評価されていた日産デュアリスですが、同じ日産のSUVであるエクストレイルのフルモデルチェンジに伴ってモデルラインナップが統合され、2013年12月には生産終了。そして2014年3月には在庫車の販売も終わったようで、公式サイトからその姿が消えました。
2014年2月以降、海外市場では「2代目デュアリス(欧州名キャシュカイ)」が販売されていますが、残念ながら日本市場での販売は行われていません。
販売終了から早くも5年が経過した日産デュアリスですが、「走りの良いコンパクトSUV」というのは今なお稀有でありがたい存在ではあるため、その中古車を狙ってみるというのは悪くない選択です。
2019年5月後半現在、デュアリスの中古車流通量はなかなか豊富です。具体的にはカーセンサーnetでの掲載数が全国で302台(5月23日現在)。このぐらいの数があれば、ご自宅からそう遠くない店舗を数軒回るだけで、意中の個体と巡り会える可能性は高いでしょう。

総額70万円以内でもまずまず好条件な一台を発見可能


中古車相場は「底が25万円で、最高値が160万円」といったイメージ。車両価格160万円も見込めばかなりステキな中古車が買えますが、正直申し上げて「今からデュアリスに160万円(乗り出し価格で考えれば約180万円)かあ……」というのはあるはずです。
そのため、中古車としての狙い所はもう少し下のプライスゾーンで考えたいところ。具体的には「総額80万円以内ぐらい」のゾーンで、もしもいい感じの一台が見つかるなら……といった感じになるでしょうか。
ということでそのあたりのゾーンを見てみますと……まあまあありますね。イメージとしては、おおむね下記のようなスペックを持つ個体です。
●2008年式 日産デュアリス 20G
55万円(支払総額70万円)|走行4.5万km|ワンオーナー|修復歴なし
……悪くない感じかと思われます。ちなみに「20G」というのは上級グレードで、「キセノンヘッドライト」「オートライト」「本革巻きステアリング」「オートエアコン」「サンルーフ」「後席読書灯」等々が標準装備となっています。
これで、もしも中古車としての各部コンディション(内外装の美観やエンジン、足回りなどの重要基幹部分)が悪くないのであれば、かなり悪くない選択ではないでしょうか?
多少なりともSUV選びのご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]

https://www.car-rate.info/suv-lab/

車の売却・査定は買取専門店にお任せください

創業20年以上の買取専門店だから、お車のセールスポイントを熟知!細かな装備やカスタム内容もしっかり高額査定が可能です。お車の買取相場をリアルタイムで把握しているので適正価格で買取させていただきます。

愛車の相場と査定の
お申し込みはこちら!

個性的な「オートフリートップ」により一定以上の人気を博した、マツダの3列シート車「ボンゴフレンディ」のおすすめポイント前のページ

CO2排出ゼロ。究極の環境性能を実現した燃料電池自動車、ホンダ・クラリティ FUEL CELL次のページ

この記事を書いた人
ユーズトカーラボ 編集部
ユーズトカーラボ 編集部

ユーズドカーラボマガジンは国内最大級の中古車専門メディアです。自動車ライターによる中古車に関するコラムや、相場などの詳細情報まで網羅しています。

関連記事

  1. コラム

    車を安く買うには?リセールバリューが高いと結果的にどのようなメリットがあるのか?

    クルマを買うなら、安く買いたいのは当然ですが、手放すときに高く売れるク…

  2. コラム

    ウッドストックの南青山店と目黒店を見学!

    東京に複数店舗を展開している外車販売のウッドストック南青山店と目黒店を…

  3. コラム

    BMW 5シリーズ E60のサイドミラーはこんな不具合に注意!カスタマイズ方法は?

    BMW E60のサイドミラーは電動格納式のサイドミラーが装着されており…

  4. コラム

    スポーティかつ5ナンバー枠。国内外を見回してもなかなか見かけない個性の持ち主、ホンダ「グレイス」のお…

    セダンラボが今回ご紹介したいのは、ホンダのセダン・ラインナップの中で最…

  5. コラム

    国内復活を遂げたホンダ CR-Vの気になるリセールバリューは?

    トヨタのRAV4とともに、乗用車ベースのクロスオーバーSUVの先駆者と…

  6. コラム

    多彩なバリエーション!現行BMW X3 G01のホイールをご紹介

    BMW X3 G01のホイールは新車装着時にグレードにより18インチ1…

  1. コラム

    BMW X3のタイヤ交換について。どんなタイヤが適切かを解説!
  2. コラム

    先代との違いは?BMW X1の現行モデルを比較しながら解説!
  3. コラム

    日産の大型SUV「ムラーノ」は中古車でしか入手不可。今買うならいくらで買うのが適…
  4. コラム

    本格2ドア2シーターオープンスポーツカー「スズキ カプチーノ」はなぜ今も根強い人…
  5. コラム

    ベンツAクラスを購入しました体験談
PAGE TOP