コラム

人を狂わせる?BMW問題とは?

日刊カーセンサーでお馴染みの伊達軍曹さんにBMWドライバーにまつわる問題について記事を書いて頂きました。
伊達軍曹さんは自身でもBMW318isクーペと320i、そして厳密にいえばBMWではないがアルピナB3Sにのっていた経験があるそうです。

わが国の道路上のBMW問題について

我が国の道路上には「BMW問題」という大問題が横たわっている。実は、これについては約4年前に筆者の個人ブログ『伊達軍曹.com』でも書いたことがあるのだが、あれから約4年が経過した今も、問題は何ら解決していない。いや、それどころか状況はさらに悪化しているようにも感じられる。

「BMW問題」とは以下のとおりだ。

運転中、後方からハイスピードで迫り来るクルマがある。別に進路を譲るにやぶさかでないのだが、前も詰まっているので譲る意味がない。しかし後方のクルマはさらに車間距離を詰め、オラオラとばかりに突進してくる。はて、このような運転をする者が乗っているクルマとはいったいどんなものなのかと、ミラーをよく見てみると……

BMWである。

またこういったケースもある。運転中、何やらもの凄いスピードで追い抜かれる。速すぎて、どんなクルマに追い抜かれたのか一瞬わからないほどだ。で、そのよくわからないクルマは自分のクルマを追い抜いた後、ズバッと左方向に2車線分レーンチェンジしたかと思えば、今度は右にズバッと2車線分レーンチェンジして、はるか前方へと去っていく。はて、あのような運転をする者が乗っているクルマとはいったいどんなものなのかと、前方をよくよく凝視してみると……

やっぱりBMWである。

つまり、「BMWのステアリングを握るとなぜか人格が豹変する人が多い。そしてその結果周囲に不快な思いをさせ、また危険も増大させる」

というのが、筆者が言うところの「BMW問題」の骨子である。

筆者がこの問題の存在を指摘した2011年以降、世の中はずいぶんと変わった。当時日本の政権を握っていた民主党は下野し、つい先日は日経平均株価が15年ぶりに終値で2万円を突破。そして空冷ポルシェ911の中古車相場はやたらと高騰し、ついでに軽自動車税も微妙に上がった。

しかし「BMW問題」だけは何も変わらない。

BMWに乗ると人格が豹変する?人を狂わせる何かがある

高速道路上で冒頭のような運転を見かける場合、筆者調べではいまだにその約7割が「なんらかのBMW」であり、残りの2割5分がヴェルファイアなどのフルサイズミニバンで、さらに残りの5分がハイエースだ。……かなりテキトーな「筆者調べ」だが、まあおおむね真実を突いているという自信はある。

さて、ヴェルファイアとハイエースのことはおいといて、問題としたいのはBMWのことだ。

もちろんBMWユーザーの全員がそうだなどとは絶対に言わないが、なぜ、一定数以上の人間はBMWのステアリングを握ると人格が豹変するのだろうか? 右へ左へとズバズバ車線変更をしたがるのだろうか?

以前、どこかのクルマ雑誌で作家の町田康氏が「BMWの車は、エアコン吹き出し口から人を狂わせる何らかの毒ガスが噴出しているに違いない」というようなことをおっしゃっていた。筆者も「その可能性は大いにある」と思い調査したことがあるが、結論として毒ガスが噴出している事実はなかった。冷気が出ているだけであった。

毒ガスでなければ何なのか。

……結局は「BMWの各種性能が素晴らしいから」ということなのだろう。

素晴らしいBMWの性能が人を狂わせる

車間距離をガンガン詰めてくるんだ。BMWは・・・
例えば「前が詰まってるのに車間距離をガンガン詰めてくる」というタイプのBMW問題について考えてみる。

ハイエースでもそれに似た行動はできるが、しかしハイエースでそれをやると、ブレーキ性能の問題で前方車両に追突してしまうリスクもある。後方からガンガン詰めてくる人も、けっして追突したいわけではないのだ。ただプレッシャーをかけたいだけなのだ。だから、ハイエースではなかなか詰められない。

しかしBMWであればどうだろうか。車間距離をガンガン詰めている最中に前方のクルマがガツンとブレーキを踏んだとしても、強力なストッピングパワーを誇るBMWであれば、おそらくは難なく追突を回避できるだろう。 それゆえ安心して前方車両にオラオラとプレッシャーをかけることができるのだ。

急速なレーンチェンジを繰り返すBMWは・・・

そして「右へ左へと急速なレーンチェンジを繰り返す」タイプのBMW問題についてはどうだろうか。

これはもう検討するまでもないだろう。ヴェルファイアやハイエースでアレをやると横転してしまう。いや横転はしないかもしれないが、横転しそうな恐怖は覚える。それゆえ、オラオラ系のヴェルファイアならびにハイエースオーナーはあれをやらないのだ。

しかしBMWであればどうだろうか。古くはヨーロッパのツーリングレースで、そして今現在も速度無制限のアウトバーンで鍛えられまくっているBMWである。 最高レベルのスタビリティ性能を備えるクルマゆえ、あんな程度の急速レーンチェンジごときは屁でもない。楽勝なのだ。というかむしろ、その回頭性能の素晴らしさと、同時に存在する高次なスタビリティ性能を実感するため、ドライバーはもっともっと急速レーンチェンジをしたくなる。で、実際それをやる、と。

以上が、筆者が考える「BMW問題」の成立過程である。かなりテキトーな推論ではあるが、筆者自身も過去に2台のBMWと1台のアルピナに乗っていた者ゆえ、あながち見当違いではないと確信している。

BMWはどれも素晴らしい。唯一の問題は

ということで、BMWのクルマはどれも本当に素晴らしい。加速よし、制動性能よし、回頭性よし、そして安定性も抜群だ。世界的な「ブランド」でもあるゆえ、周囲の者へのニラミだって利く。素晴らしいクルマだ。

……嫌味を言っているように聞こえるかもしれないが、そんなことはない。BMWは、モデルを問わずどれも本当に素晴らしいのだ。一度乗ってみれば誰でもすぐにそれがわかると、筆者は2000%確信している。

唯一の問題は、それに乗ったあなた自身が「BMW問題」を引き起こしてしまわないか……ということだ。

非常に高性能なクルマだけにそれがなかなか難しいのだが、頑張って誘惑に耐え、ぜひとも「良きBMWドライバー」になっていただけたらと思う。

そしてまた4年後、今度は「ついにBMW問題が解消された」という趣旨の原稿をどこかで書いてみたいと、個人的には強く希求している。

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ユーズトカーラボ 編集部
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