コラム

伊達軍曹のここだけSUV談義 第6弾。評価が分かれるトランスミッション「CVT」について、筆者はどう思う?

あなたは「CVT」はお好きだろうか?
たぶん説明するまでもないだろうが、CVTとはContinuously Variable Transmissionの頭文字で、「無段変速機」または「連続可変トランスミッション」などと呼ばれるタイプのトランスミッションだ。

最近の輸入車では採用例が減っているが、筆者が乗っているスバルXVを含むさまざまな国産SUVには採用されていることが多い変速機である(まあSUVに限った話ではなく国産車全般なのだが)。
CVTの評判はすこぶる悪い。や、一般的な人にとってはCVTも多段式ATも「オートマはオートマ」という感じであろうため、その違いすら(たぶん)理解していないし、気にもしてないだろう。
だが「車好き」と呼ばれる人種の間ですこぶる評判が悪いのだ。

車好きに不評なCVTだが、筆者はさほど嫌いじゃない


冒頭で「あなたは『CVT』はお好きだろうか?」との問いを発したわけだが、もしもあなたが「車好き」と呼ばれるようなタイプであるならば、
・正直あんまり好きじゃない
・ていうかキライ
・大っきらい! 撲滅したい!
という3パターンの回答のうち、どれかひとつに当てはまる可能性が高いのではないかと見ている。
そう言う筆者自身はCVTに対してどう思っているかといえば、下記のとおりだ。
「デキの良いCVTであるならば、CVTでも構わない」
CVTが特に好きというわけでもないのだが、近年の高性能なCVTであれば「キライ!」と騒ぐつもりはない――といったニュアンスである。

CVTのラバーバンドフィールは確かに少し気持ち悪いが


なぜ、いわゆる車好きと呼ばれる人種がCVTを嫌うケースが多いかといえば、「ダイレクト感に乏しいフィーリングだから」という理由になる場合が多いはずだ。
CVTはその構造上、加速時にエンジン回転数がほぼ一定のまま速度を上げていくため、運転者はエンジンのレスポンスに対してその速度が見合っていないような感覚に陥ることがある。これを俗に「ラバーバンドフィール」というのだが、それはまあ確かに筆者も感じてはいる。
MT車の場合は、ここぞというときの加速でギアを1つか2つ下に入れ、アクセルペダルをガバっと踏んでやれば、ほぼ即座にグワッと加速する。そしてその加速にエンジン回転数も連動する。それゆえ「違和感」のようなものがない。多段ステップATも、MTほどではないものの、おおむねそのようなニュアンスである。
だがCVTの場合はここぞという場面で「エイヤッ!」とアクセルペダルを踏んでも、エンジンは一瞬「ブオーッ!」と吠えるのだが、加速は超絶即座には開始されない。ほんの少々の間を置いてから、スルスルと速度が上がっていく感じなのだ。
これをもって、世の車好きたちは、
・なんかちょっと気持ち悪い
・スポーティな走行には向かない
・大っきらい! 撲滅したい!
というような感慨を抱くのだろう。そこについては、筆者もいちおうわかるつもりではある。
だがそれでも、先ほど申し上げたとおり「デキの良いCVTであるならば、自分的にはCVTでもぜんぜん構わない」と思っているのだ。

先を読んでゆっくりめに走る分にはまったく気にならない


筆者が私物として乗っている現行型スバルXVに搭載されているCVT(改良型リニアトロニックCVT)はなかなかデキの良いチェーン式のCVTで、なおかつ運転者がグワッとペダルを踏み込んでアクセルが「高開度」になると自動的にステップ変速に切り替わり、エンジン回転がぐっと伸びてリニアな加速が味わるという「オートステップ変速切り替えモード」付きだから、という理由もある。
だがそれ以上に決定的な理由があるから、CVTでもぜんぜん気にならないのだ。
その理由とは「飛ばさないから」である。
筆者も、アクセルペダルをガバチョッと踏んでうおおおおおっ! と加速するようなシーンがまったくゼロなわけではない。例えば高速道路などを走行中、ごく希に生じる(あるいは生じそうな)危険を回避する意味で急加速をすることはある。
だがそれを行うケースはきわめて少ない。ゼロではないものの「ゼロに近いぐらい少ない」といった感じなのだ。たいていの場合、筆者が日常的に行っている運転はおおむね下記のニュアンスである。
「じわ~っとアクセルを踏んで加速していき、ある程度のところでパーシャルスロットルにする(高速道路であればACCを100km/hぐらいにセットする)。そして減速する際も、なるべく先を読んでじわ~っとエンブレおよびフットブレーキで減速させていき、最終的にスッとおだやかに停止する」
……先ほど「筆者が日常的に行っている運転は~」と申し上げたが、上記のような運転術は別に筆者に限った話ではないだろう。昭和の時代はいざ知らず、2019年の今となっては80%ぐらいのドライバーが実践している運転法だ。そしてスポーティではあるものの決してスポーツカーではないSUVのドライバーであれば、おそらく90%以上のドライバーがこんな感じで運転しているのではないか。
で、このような運転をする限りにおいては、ハッキリ言ってCVTも多段式ATも「ほとんど変わらない」といったニュアンスなのだ。
もちろん、スバルのリニアトロニックCVTに代表されるような「最近のデキの良いCVTならば」という条件付きではある。
そして「とはいえ、場合によっては少々のラバーバンドフィールを感じてしまうこともありますが」という言い訳付きでもある。
さらには「まぁ8速とかの多段式ATのほうが正直CVTよりいいとは思いますし、むしろ個人的にはMTがいちばん好きなんですが」という告白付きでもある。
しかし、そういったすべてをひっくるめた上で「でもまぁCVTでもぜんぜん気にならないですけどね」と感じているのだ。

CVTが嫌いって、あんたどんだけ●●●●●んだ?

「それはお前が鈍感すぎるだけだ。ゆっくりめに巡航するとしても、CVTはやっぱり気持ちの悪いモノである」という意見もあるだろう。
筆者が車の挙動に対して鈍感なことは認める。一流レーサーあがりの自動車評論家諸氏と比べるなら、筆者の「対自動車鋭敏度」など百分の一か千分の一程度のレベルであることは間違いない。
だが「世の車好きの平均ぐらい」であるとは自負している。かなり厳しめに自己査定したとしても「中の下ぐらい」だろう。
それゆえ断言したいのだが、もしもあなたが筆者と同程度の感覚の持ち主(つまり中ぐらい)であるならば、そして新世代のCVT搭載SUVを2019年らしいジェントルなマナーで運転するのであれば、CVT特有のネガはほとんど気にならないはずなのだ。
逆に言いたいのが、「それでもそんなにCVTがキライって、あんた公道でどんだけグワッと加速してんのよ?」という問いなわけだが、まぁそんなことを言うと角が立つのでやめておこう。
[ライター/伊達軍曹]

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ユーズトカーラボ 編集部
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