コラム

日産の大型SUV「ムラーノ」は中古車でしか入手不可。今買うならいくらで買うのが適切なのか?

それでは今週もさっそく「おすすめSUVのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は、2015年3月まで販売されていた日産の大型SUV「ムラーノ」です。

狙い目は2010年式付近の2.5L 直4グレード


2015年に国内では販売終了となったムラーノであるため、今や中古車でしか入手することはできません。しかし日産のラインナップから「大型SUV」というものが消えてしまった今、ユーズドカーのムラーノはなかなか価値ある存在のようにも思えます。
そして結論から申し上げますと、これから中古の日産ムラーノを買うのであれば、おすすめの年式&グレードは「2010年式付近の2.5Lエンジン搭載グレード各種」というのが当ラボの見解です。

先進的デザインが受けてヒット作となった初代



それでは、まずはムラーノというSUVの概略から振り返ってみましょう。
当初は北米専用車だった初代ムラーノが日本市場でも発売されたのは2004年9月のこと。その先進的なデザインが評価され、2004年度の「グッドデザイン賞」を受賞しています。
日本仕様の搭載エンジンは3.5L V6と2.5L 直4の2種類で、駆動方式はFFが基本でしたが、3.5Lのほうは4WDも選択可能でした。トランスミッションは2.5Lのほうが4速ATで、3.5LのほうはエクストロニックCVT-M6(6速マニュアルモード付無段変速機)です。
この初代ムラーノは前述のとおりの意欲的な先進デザインでなかなかのヒット作となったわけですが、2008年9月にはフルモデルチェンジを受けて2代目へと移行します。

「より上質な手触りと乗り味」を目指した2代目


2代目のボディサイズは全長×全幅×全高=4825(+55)×1895(+15)×1700(+15)mm(※カッコ内は先代比)と、先代よりひと回りサイズアップしましたが、ホイールベースは2825mmと変更なし。室内寸法は数字上、初代より小さくなったのですが、「スイートルーム」をテーマとするインテリアは随所でより高級な雰囲気へと改められています。
2種類のエンジンは基本的には初代と同じですが、細部のチューニングにより最高出力と最大トルクは向上しています。そしてトランスミッションはどちらもエクストロニックCVTとなり、3.5L版には初代同様の6段マニュアルモードが備わっています。
そして初代ムラーノはFFを基本としていましたが、2代目ムラーノはすべてのグレードで「ALL MODE 4×4-i」を採用しました。これは舵角やアクセルの開度、車両の挙動からリアルタイムで前後トルク配分を変化させるという機構です(※ただし2010年1月には2.5L版のほうにFFの250XVと250XLが追加されたのですが)。
さらに前席/サイド/カーテンシールドエアバッグや、アンチスピンデバイスであるVDCなどの安全装備はグレードごとの差はなく、すべて標準装備となったのも2代目ムラーノのデビュー時の特徴です。
2011年1月にはマイナーチェンジを行い、内外装デザインの変更と一部装備の見直しを実施。外観の変更点はフロントグリルとフロントバンパー、リアコンビランプ、アルミホイールなどで、日産いわく「先進性と質感の向上」を図ったとのこと。インテリアでは、ホワイト基調の表示で視認性を向上させる新デザインのコンビメーターが採用され、本革シートとドアトリムのデザインも変更されています。



それと同時に装備のグレードアップも図られ、上級グレードであるXV系には「カーウイングスナビゲーションシステム」(HDD方式)とオートスピードコントロール装置を標準装備。さらにISO FIX対応チャイルドシート用アンカー(後席左右)が全グレード標準装備になったのもこのタイミングです。
やや駆け足となってしまいましたが、以上が初代および2代目ムラーノのモデルヒストリーです。

年式の問題から考えておすすめはやはり2代目



そのうえで「今、中古車として買うならどの年式のどのグレードにするべきなのか?」と考えたいと思います。
まず大きなところでは「初代にするか、それとも2代目で行くか?」ということを考えなければなりません。
ここに関しては、諸説あるでしょうが「2代目推しでいきたい!」というのが当ラボのスタンスです。理由は、クルマとしての出来うんぬんではなく単純に「年式の問題」です。
初代ムラーノのデザインはもちろんかなりステキなのですが、初代は最終年式であっても今や11年落ち。11年落ちクルマがいけないというわけではないものの、諸々の信頼性等を考えると「中古車とはいえ、もうちょっと新しい年式を選びたい」というのが正直なところ。その意味で「2代目推し」としたいのです。

「V6か直4か?」は正直悩みどころ


そしてお次は「3.5L V6にするか、それとも2.5L 直4でも十分なのか?」という問題です。

ここはなかなか難しい問題です。なぜならば「どっちも割といい感じだから」です。3.5L V6のほうは「余裕をもってゆったり走る」というこのクルマの基本コンセプトにかなり合致した味わいがあるのですが、かといって2.5L 直4のほうの「軽快なハンドリングと軽やかな乗り心地」も、それはそれでいい感じなのです。
なんとも難しい判断になるため、ここは政治家や官僚の皆さんの得意技である「判断先延ばし」ということにして、その前に「予算」について考えることとします。

「中古ムラーノ」の適正予算はいくらなのか?

2代目ムラーノの中古車相場は2019年3月半ば現在、おおむね「60万~220万円」といったところです。
60万円ぐらいの底値系は当然ながらけっこうな過走行車だったりする場合が多いので、とりあえず除外します。また同時に180万~220万円あたりの高額物件系も、選択肢から外したいと思います。

なぜならば、申し訳ないですが「今さらムラーノにそこまでのお金を出すのはいかがなものか?」と、正直思うからです。
車両価格で180万~220万円あたりの高値系物件は、中古車とはいえなかなかコンディション良好ですし、グレード的にも「350XV FOUR」などの最上級系を選ぶことができます。
しかし車両価格180万~220万円ということは、支払総額(乗り出し価格)で考えれば「200万円から240万円ぐらい」です。そこまでのお金を出すのであれば、それを元手に何らかの新車のSUVを買ったほうがいいのではないか……と、思わないわけにはまいりません。

総額130万円あたりで程度良好な2.5Lを探したい


ということで、2代目ムラーノの中古車に投入すべき適正な予算は、なんとなくのフィーリングで「総額100万円から140万円ぐらい」と、仮にしておきましょう。このぐらいの乗り出し価格でなかなかナイスなムラーノを手に入れられたら、それこそなかなかハッピーなのではないかと思うからです。
では、そのあたりの予算帯に絞って中古車マーケットを見渡してみます。すると、狙い目の線が見えてきました。それはズバリ以下のとおりです。
「総額130万円前後で、2010年式付近の2.5L版。走行距離は3万km台か4万km台で、駆動方式やグレードは個体によりけり」
これが、今狙うべき2代目日産ムラーノの中古車だと言えます。
ゆったりと余裕ある走りができる3.5L V6に若干の未練は残りますが、いさぎよくあきらめましょう。中古車というのは、新車時のスペックではなく「今現在のコンディションと価格との兼ね合い」で考えたほうが、どツボにハマる可能性が低いからです。
できれば、このなかでは最上級にあたる「250 XV FOUR」を探したいところですが、このあたりも実は「現車のコンディション次第」で考えるべき部分です。
なぜならば、中古車の場合は各部のコンディションがイマイチな最上級グレードよりも、「全体がビッとしているそのひとつ下のグレード」を選ぶのが結局は正解だったりするのは、よくある話だからです。

今一度「結論」です!

ということで、改めての結論は以下のとおりです。
「もしもムラーノの中古車をこれから買うのであれば、価格の目安は総額130万円前後で、年式とグレードは2010年式付近の2.5L版。走行距離は3万km台か4万km台を目安をひとつの目安にして、駆動方式は個体のコンディションと相談しながら決める」
以上、ご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]

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ユーズトカーラボ 編集部
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