誰もが憧れるオープンカー、乗ってみたいとは思うけどスポーツカーやクーペは普段の生活には使いづらそうだし、所詮家族からは遊びの車だと思われかねないし、夢のまた夢…と思われている方々はいらっしゃるかと思います。しかしオープンカーは決してスポーツカーやクーペだけではなく、様々なボディタイプのオープンカーが存在しています。そして最近は大人気のSUVに憧れのオープン仕様を組み合わせるという、日常にもマッチングしつつオープンという遊び心が取り入れられている注目のオープンSUVという形がわずかながら出てきています。SUVのオープンモデルとはどういったものになるのか、詳しく見ていきましょう。
SUVをオープン仕様にするメリット
まずどんなボディタイプでもオープン化させるメリットは何かというと、言わずもがな風を受けることができて解放感が感じられることです。またクーペだと何故オープン化させることが多いのかというと、もちろんエクステリア的にマッチしておりかっこいいというのももちろんありますが、屋根をなくすことにより低重心となり軽量化にも繋がるという利点がありました。しかしながらその際のデメリットとしては、改造などで価格が上がる、剛性が下がる場合がある、日本は雨が多いので案外オープンにできるタイミングがない、などがありますが、それに代えがたい魅力がオープンモデルにあるのも事実です。
そしてSUVはオフロード走行のためのモデルであることから、アウトドアにもぴったりなので山や海など未舗装の自然溢れる道でもでオープン化させられることや、車高が高く設計されているものが多いことから強い爽快感が感じられることでしょう。また多くのオープンカーが2人乗りや多くても4人乗りぐらいであることを考えると、SUV5人から7人ほどを載せることができるというのもメリットとなります。大人数でオープンにできたら、なかなかない体験に盛り上がることも間違いなしです。これはやはりクーペやスポーツタイプでは感じられないことかと思います。
日産・ムラーノ
出典:ウィキメディア
日産で北米専用車のクロスオーバーSUVとして開発されたムラーノというモデルには2代目にクロスカブリオレ(Cross Cabriolet)と題したオープンモデルが販売されていたことがありました。クロスオーバーSUVでありながらもスペシャリティ志向を取り入れ、力強くも優美な佇まいをもったモデルとなっています。この2代目からは日本でも販売されることとなっていましたが、このクロスカブリオレは日本では販売されることがなかったのと、この2代目で2015年にムラーノの日本での販売が終了したので、日本ではムラーノ自体が幻のようなモデルではあります。このムラーノのクロスカブリオレは今までにないモデルだったので動向に注目が集まりましたが2011年から販売され2014年で販売終了となったことから、北米ではあまり健闘できなかったという感じは否めません。しかしクロスオーバーのSUVのオープンモデルを登場させたというのは大きな意義がありました。
その次にレンジローバー・イヴォークコンバーチブル
出典:ウィキメディア
現在北米では高級クロスオーバーSUVが大人気で、様々なメーカーが競争しており、豊かなモデルが次々と登場しています。その中でもレンジローバーのイヴォークは人気の一つのモデルであり、北米カーオブザイヤーを受賞するなど北米の方々にとってはメジャーなモデルとなっています。日産のムラーノカブリオレが撤退した後、そんなイヴォークに2017年にコンバーチブルモデルが追加されました。レンジローバーは世界初のプレミアム小型SUVのコンバーチブルと発表しており、注目が集まりました。
イヴォークにコンバーチブルモデルを追加させた理由の一つとして、イヴォーク自体がファッショナブルでデザイン性の高いモデルであることが挙げられます。そのためコンバーチブルモデルになってもしっくりと馴染み、一目見てかっこいいと思わせてくれるモデルとなっています。ルーフについてはボタン一つで開け閉めできるようになっています。しかも21秒で、尚且つ48km/h以下であれば走行中でも開閉可能ということなので、コンバーチブル全体で見てもとても機能性が高いモデルで、急な雨や日本の気候でも非常に対応しやすくなっており魅力的です。
オープンカーで不安な剛性もしっかり高められており安心できますが、マイナス点としては車重がかなり重くなっており元々は1760kgでコンバーチブルは2020kgとなっており260kg増えています。実はここまで重くなるのは珍しいことなのですが、それで走りが少し重たくなるのは比べてしまうとどうしても感じる部分ではあります。そこはある意味割り切りもあり、ビュンビュン走らせたいのであればノーマルモデル、優雅に楽しみ遊びたいのであればコンバーチブルと目的に応じて選ぶと良いでしょう。コンパクトSUVということもあり小さくはあり大人数をしょっちゅう載せる環境であればこれだけを所有するのは難しいかもしれませんが、3、4人の家族であれば十分使えるモデルかと思われます。
ムラーノではあまり振るわなかったSUVのコンバーチブルが今後北米でどのように展開されてゆくのか見物ですし、このイヴォークによってどんどん追随されていくとなおSUV界で新しい波が沸き起こり、見たこともないようなモデルまで登場していくようなそんな一石を投じるモデルとなれば面白いかと思います。これでSUVのオープンモデルが少しでもメジャーになっていけば、SUVが大人気の日本でもオープンモデルのSUVが少しずつ増えていくことも考えられるので期待したいところです。
その他のSUVオープンモデル
代表的なモデルとして上記2つを挙げましたが、他にも少しずつSUVのオープンモデルは登場してきています。そしてまだ生産されていませんが、フォルクスワーゲンがT-ROCのカブリオレモデルを2020年に生産開始すると発表しています。フォルクスワーゲンとしては初めてのSUVモデルとなるので、やはり少しずつ様々な国の様々なモデルからSUVのオープンモデルがじわじわと作られ始めていることが伺えます。
まとめ
SUVのオープンモデルが登場してからまだ年月が経っておらず、数もまだまだ少ないです。今後人気がでるのか、SUVのオープンモデルに憧れを抱くようになるのか、という部分も日本において不透明な感じもあります。しかしSUVのオープンモデルというのはメリットがたくさんあります。珍しさもあり、購入するには思い切りが必要な部分はありますが、きっと新しい楽しみとなり面白い相棒になってくれることは間違いないと思います。
[ライター/A.Oku]