コラム

マツダの3列シートSUV「CX-8」が昨年末一部改良が行われた結果、どれが買いなのかを改めて考えてみた

それでは今週も「おすすめSUVのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今週のお題は昨年11月29日に一部改良が行われたマツダの3列シートSUV「CX-8」です。

自然吸気とターボ、2種類のガソリンエンジンを追加


CX-8については当ラボでも昨年8月末に研究を行ったのですが、その時点での搭載エンジンはSKYACTIV-D 2.2(2.2Lディーゼルターボエンジン)のみでした。しかし昨年11月末にガソリンの2.5Lエンジンが追加され、同時にいくつかの装備変更も行われました。
で、そのガソリン版CX-8についてもいちおうキャッチアップしておこうじゃないか、というのが今回の主題であります。
まずは新たに追加されたガソリン版CX-8の概略からまいりましょう。

今回追加されたガソリンエンジンは、2.5L直噴直4自然吸気の「SKYACTIV-G 2.5」と、同じく2.5L直噴直4ながらターボチャージャー付きの「SKYACTIV-G 2.5T」という2種類。
そのスペックは自然吸気版が最高出力190ps/最大トルク252Nmで、ターボ版が同230ps/同420Nmとなっています。これはすでに「CX-5」に搭載されているエンジンと同等の仕様ですが、CX-8のほうには「気筒休止機構」は備わっていません。
WLTCモードによるカタログ燃費は自然吸気版が12.4km/Lで、ターボ版が12.0km/L。指定燃料は両者ともハイオクではなくレギュラーガソリンです。

車両の制御技術や安全装備なども地味に向上


今回の一部改良ではガソリンエンジンの追加だけでなく「車両運動制御技術」も進化し、そして全車に標準装備されるようになりました。これは従来の「G-ベクタリングコントロール」が「G-ベクタリングコントロール プラス」に進化したということです。
新しいG-ベクタリングコントロール プラスは――ちょっとややこしい話で恐縮ですが――従来からのエンジントルクのコントロールによりターンイン時の応答性を高めるという制御に加え、旋回中からターンアウト時にかけての安定性と収束性を向上させるブレーキ制御を追加した……という改良が加えられました。
まぁざっくり言いますと「安定性がより向上し、高速走行時やワインディングロード走行時のドライバーとの一体感が高まり、緊急時の危険回避能力アップした」ということです。
このたびの一部変更では安全装備の強化も図られています。緊急自動ブレーキは夜間の歩行者を検知可能としたほか、360度ビューモニターを「25T Lパッケージ」「XD Lパッケージ」「XDプロアクティブ」に標準装備、その他グレードにはオプション設定としました。


さらにインテリアではエアコンパネルと各種スイッチ/ダイヤルのデザインを変更。前席センターコンソールのアームレストを15mm低め、前席シートにベンチレーション機能を加えています。さらにさらに3列目周辺の遮音性能を高めたりと、快適性の向上も地道にマジメに図られました。

自然吸気か? それともターボにするべきか?


……と、以上のような改良を経た2.5Lガソリンエンジン版CX-8のグレードラインナップと、それぞれのプライスは下記のとおりです。
●25S(2WD)|289万4400円
●25S PROACTIVE(2WD)|325万6200円
●25T PROACTIVE(4WD)|374万2200円
●25S L Package(2WD)|375万8400円
●25T L Package(4WD)|424万4400円
25の後に「S」が付いているのが自然吸気エンジンで、「T」が付いているのがターボエンジンということですね。駆動方式は25S系が2WDで、25T系は4WDとなります。
このなかからベストグレードを考えたいわけですが、まずはその前に「自然吸気にするか? それともターボで行くか?」ということを考えなければなりません。
……が、これはなかなか難しい問題です。というのも「どちらもいい感じだから」です。
そりゃもちろんパワフル&トルクフルなターボ付きのほうが速く、そして余裕があるのは言うまでもありません。しかし自然吸気のほうでも動力性能的には十分であり、軽快感もあるため「むしろこっちのほうが好きかも?」と思う瞬間がないわけではないからです。
そのためターボor自然吸気問題につきましては「お好みでどうぞ」という結論以外に出しようがありません。できれば販売店にて両者を試乗してみて(両エンジンの試乗車があるかどうかは謎ですが……)、ご自分の感覚にしっくりくるほうを選んでいただければと思います。

ベーシックな25Sは装備がやや寂しい

そのうえで考える「おすすめグレード」ですが、まずはベーシックな25Sは除外して考えるのが吉と思われます。なぜならば、このグレードだけ「スマート・ブレーキ・サポート&マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」がオプション扱いになっていて、その他の先進安全装備の一部も装着不可だったりするからです。
もっと安価なクロスオーバーSUVならさておき、CX-8クラスでそれらの装備が付かないというのはちょっと致命的です。お安いのは魅力的なのですが、残念ながら25Sはおすすめできません。

上級グレードと最上級グレードではどちらがおすすめ?

となると、残るのは下記4グレードです。
【自然吸気で行くなら】
●25S PROACTIVE(2WD)|325万6200円
●25S L Package(2WD)|375万8400円
【ターボ付きを選ぶなら】
●25T PROACTIVE(4WD)|374万2200円
●25T L Package(4WD)|424万4400円
「PROACTIVE]というのが要するに上級グレードで、「L Package」というのが最上級グレードですね。
両者の装備差あはいろいろあるのですが、大きめなところは下記でしょうか。


●360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサーが標準かオプションか
●パワーリフトゲートが標準かオプションか
●LED間接照明が標準かオプションか
●オーバーヘッドコンソールLEDダウンライトが標準かオプションか
●助手席が6Wayパワーシートかどうか
●セカンドシートのシートヒーターの有無
●19インチホイールがシルバーメタリック塗装か(PROACTIVE)、高輝度ダーク塗装か(L Package)

このあたりの装備はもちろん充実しているに越したことはないため、「なるべくいいものが欲しい!」という人は最上級グレードであるL Packageで決まりでしょう。
ですが、上記の装備類については「よくよく考えると別にどっちでもいいかな?」と感じる人もいるかもしれません。その場合は、相対的にお安いPROACTIVEで十分かもしれません。

最後にまとめます!


ということで、ガソリンエンジン版CX-8についての結論というかまとめです。
●自然吸気とターボはどちらもいい感じなので、試乗のうえお好みで
●ベーシックな「25S」はおすすめしない
●イチ推しは最上級の「L Package」だが、「PROACTIVE」も割とコスパが高くおすすめ
とりあえずは以上であります。多少なりともご参考になったならば幸いです。それではまた来週!
[ライター/伊達軍曹]

車の売却・査定は買取専門店にお任せください

創業20年以上の買取専門店だから、お車のセールスポイントを熟知!細かな装備やカスタム内容もしっかり高額査定が可能です。お車の買取相場をリアルタイムで把握しているので適正価格で買取させていただきます。

愛車の相場と査定の
お申し込みはこちら!

生まれ変わったホンダ「ジェイド」はマイナーチェンジでミニバンではなくなった?前のページ

欧州Cセグメントクラスに属しているレクサス「CT」は走りとデザインとどちらとも満足できる一台次のページ

この記事を書いた人
ユーズトカーラボ 編集部
ユーズトカーラボ 編集部

ユーズドカーラボマガジンは国内最大級の中古車専門メディアです。自動車ライターによる中古車に関するコラムや、相場などの詳細情報まで網羅しています。

関連記事

  1. コラム

    熟成の進んだマツダのフラッグシップセダン「アテンザ」のおすすめグレードと人気の秘訣

    さらに高められた完成度。熟成の進んだマツダのフラッグシップセダン、アテ…

  2. コラム

    レクサス IS Fは速さへのこだわりがあるクルマだが普段使いも問題なし

    今や耳慣れてきたレクサスのFシリーズですが、元はこのISが一番最初に開…

  3. コラム

    レクサスのSUV人気ランキング!果たしてどのSUVがおすすめなのか?

    現在レクサスが展開するSUVは、もっともコンパクトなUXからLXまで4…

  4. コラム

    BMWの大人気車種BMW3シリーズ

    車大好きライター中込健太郎さんの寄稿記事を車種別に編集して掲載していま…

  5. コラム

    BMW X1のキャリアのメリット。アタッチメントとボックスがあれば装着できる!

    BMW X1はコンパクトSUVであるためラゲッジスペースは限られていま…

  6. コラム

    脳内バランスでポルシェ911とポルシェケイマンを比較する。その2

    輸入中古車400勝サイトや日刊カーセンサーへの投稿でおなじみの伊達軍曹…

  1. コラム

    もしも川中島の戦いをポルシェで戦うなら
  2. コラム

    デバイスの技術の向上によりスタビリティの問題を克服できたSUV。これからはSUV…
  3. コラム

    輸入車のエンジンの調子を把握する5つのポイント
  4. コラム

    現代にマッチする扱いやすいスポーツカーを目指した「スバル BRZ」、その性能は?…
  5. コラム

    BMW 5シリーズ E60にコーディングをするとどんなことができるの?
PAGE TOP