はじめてのフィアット500の中古車の選び方について、中古車情報誌や自動車専門誌で長年にわたって、ライティング・編集に携わられた後、現在はフリーランスのライターとして活躍されている荻原文博さんから寄稿いたただきました。
フィアット500について
フィアットはイタリアのトリノ市リンゴットに本拠地を置く自動車メーカーです。車名のFIATはFabbrica Italiana Automobili Torinoの頭文字から取ったもので、「トリノのイタリア自動車製造所」を意味します。
かつては航空機も製造していましたが、現在はクルマをはじめ、トラック、バス、建設機械、農業機械などを製造しています。そのフィアットが製造したコンパクトカーの代表作がフィアット500です。
フィアット500は3世代存在
フィアット500は3世代存在します。初代は1936年に発表された2人乗りのコンパクトカーです。ハツカネズミを意味する“トッポリーノ”の愛称で多くの人に慕われました。そして2代目は1957年~77年まで生産された4人乗りのコンパクトカーです。初代500と区別するためにNUOVA500(新500)と呼ばれ、駆動方式はRR(リアエンジン、リアドライブ)を採用します。そして2008年から3代目モデルが販売開始されました。
3代目のフィアット500は丸目のヘッドライトやフロントマスク、3ドアハッチバックのスタイリングは2代目をモチーフとしてモダンにアレンジをしています。
ボディサイズは全長が3545mm、全幅が1625mm、全高は1515mmで、国産車ではトヨタパッソ、輸入車ではフォルクスワーゲンup!、ルノートゥインゴなどが同じボディサイズとなります。
オススメのフィアット500は3代目です
今回、オススメの中古車として紹介するのは、この3代目のフィアット500です。ボディタイプは3ドアハッチバックと500Cと呼ばれるピラーを残してソフトトップが電動で開閉できるオープンモデルの2タイプがあります。エンジンは1.2L直4SOHCをはじめ、1.4L直4DOHC、そしてツインエアと呼ばれる0.875L直2SOHCターボの3種類が設定されています。
ミッションはグレードによって5MT、デュアロジックと呼ばれるセミオートマチック5速ATが用意され、駆動方式は全車FF(前輪駆動)です。グレードは非常に多彩で1.2L、1.4Lにそれぞれスタンダードなポップ、そして上級グレードのラウンジが設定されています。1.4L車にはスポーツやラウンジSSというグレードも設定されています。
バニライエローやサッカーイタリア代表と同じ薄青の外装色のアッズーラ、オレンジのアランチャなどカラフルなボディカラーを纏った特別仕様車が多く設定されているのも特徴です。では中古車相場を見てみましょう。
フィアット500の中古車相場について
フィアット500の中古車相場は価格帯はモデルライフが長くなっていることもあり、68万~321万円と非常に幅広くなっています。続いては平均価格の推移です。2014年5月の平均価格は159万円でした。6月に入り156万円、7月には155万円と緩やかに値落ちを進めていましたが、8月も155万円と横這いに転じています。現在は当面の底値を形成していて、秋もしくは年末まで目立った値動きがないかもしれません。
そしてもう一つ、気になることがあります。7月は中古車の流通台数が330台あったのですが、今月は300台と約10%減少しています。今後も減少するようであれば、選びずらくなります。相場が安定し、流通台数が多い今が買い時と言えるでしょう。
国産コンパクトカーと同じ100万~150万円で狙える中古車も多くなっているのもフィアット500の魅力の一つです。特に2008年~2011年までの初期モデルがこの価格帯で圏内に入っています。
フィアット500のオススメのグレードは?
予算150万円でフィアット500の中古車を探している方にオススメのグレードは1.4Lラウンジです。パワフルなエンジンでキビキビとした走りが特徴で、快適なオートエアコンをはじめ、横滑り防止装置などの安全装備も充実。何と言っても開放感を味わえるガラスサンルーフが装着されています。
国産コンパクトカーと同じ予算で購入できるフィアット 500を手に入れれば、アナタのライフスタイルを大きく変えてくれて、より充実させてくれるはずです。