ガリバーで7年間勤務された後、現在はフリーランスのライターとして活躍されている中込健太郎さんから寄稿いたただきました。今回は前回の記事で紹介いただいた「エンジンから選ぶBMW」のというトピックで触れていただいた ”4気筒のBMW5シリーズ”の素晴らしさについて寄稿いただきました
4気筒のBMW5シリーズがおすすめです
ミニマムなエネルギーで最大限のパフォーマンスを発揮するBMWとは
この動きが最近では5シリーズにも波及しているのです。その目的は、もちろんEfficientDynamics。最近BMWが掲げているスローガン。
ミニマムなエネルギーで最大限のパフォーマンスを、というものです。
フロントエンジンリアドライブ(FR)のクルマの多いBMWのラインナップでは特に、フロントエンジンに搭載するエンジンは、ただ単にパワーがあれば言いと言うものでもないのです。
クルマはシステム。全体でどういうクルマに仕上がっているかが大きな問題です。
もともと6気筒、しかもスペース的には大きい直列6気筒をおさめることのできるスペースに、コンパクトで軽量な4気筒のエンジンを搭載することは、実はもともと、大いにアドバンテージを引き出す可能性を持っているといえるのです。 しかもプレミアムサルーンのBMWのエンジン。単なるどこのメーカーも作るような、どんなクルマにも積まれるような、凡百の4気筒エンジンではありません。 振動も抑えられ、精緻な設計と工作制度を以って製造される、しっかりとコストと手間が惜しまれていないことは、一度でも乗ってみればわかっていただけるはずです。 優秀なターボエンジンと組み合わせられ、低中速から潤沢なトルクがもりもりと湧き出し、街中でもきびきび感が増すと同時に、高速までよく回るのはBMWの面目躍如たる部分と言えるでしょう。
最近のトレンドオートマティックミッションとの相性も良好です
さらに最近のトレンドは多段化されたオートマティックミッション。これとの相性もよく、トルクバンドの一番おいしいところでサクサクとシフトアップしていくさまは、まるでエンジンのおいしいところだけをかいつまむミッションの、上のギヤが常に「お迎えに来て引っ張り上げてくれている」とでも表現したくなるようです。
容易に、意のままにパワーを引き出せるレスポンシブなエンジンは全長が短くなったために、ステアリングフィールの軽快さを引き出すことにも大きく寄与していると言えます。
おそらく同じパワーを引き出すのに搭載していた6気筒車より、車重が1割、いや3割くらい軽くなったかのように、「身軽さを実感できる」クルマになっています。
6気筒エンジンはBMWの証というこだわりは捨ててください
6気筒エンジンはBMWの証、高級車の証。そういうこだわりは、もはや「前時代的沽券」であり「呪縛」である。語弊を恐れずに言えばそれくらい「引き換えに得るもの」は大きいと言えるのではないでしょうか。
単純に軽いのではなく、「重厚な走りのテイストは残しつつ、軽やかさを身につけた」クルマと言えるでしょう。それがBMWの新世代4気筒エンジン搭載車の特徴です。
クルマがどんどん肥大化する一途をたどっていた昨今、もともとドイツの「黒い森」の中を自由に飛び回る、黄金の翼を持った鳥のようなイメージのBMW、「久々に帰ってきたぞ!」そんな感想を抱かれる方も多いのではないでしょうか。
4気筒エンジンの醍醐味は5シーリーズでこそ楽しめます
3シリーズでもその差はわかるでしょうが、大柄な5シリーズでこそ、その身軽に豹変した様をご自身の目で、一度体験していただくことをおススメいたします。
新しいBMW像がここにあるばかりか、最新のドイツ車、プレミアムカーの今後を見ていただきたい。そういう一台ではないでしょうか。