車関連雑誌と車関連webサイトに携わって15年の荻原文博さんからから寄稿いたただきました。長年にわたって蓄積された車に関する見識は一読の価値があります
フォルクスワーゲンは数ある輸入車ブランドの中で、最も日本でポピュラーな輸入車ブランドと言えるでしょう。日本自動車輸入組合(JAIA)の発表のデータを見ても、2013年度(2013年4月~2014年3月)の輸入車ブランド別新車販売台数でフォルクスワーゲンは7万2157台となり、14年連続で輸入車シェアトップとなっているからです。
フォルクスワーゲンは5ドアハッチバックのベンチマークであるゴルフをはじめ、軽自動車並と小さなボディサイズのup!、ミニバンのシャランなど様々なボディタイプをラインナップしています自動車メーカーです。
今回、取り上げるのはフォルクスワーゲンポロです。ポロのボディサイズは全長が4m、全幅が1685mmと日本の道路事情にピッタリ合った5ナンバーサイズのコンパクトカーです。(派生モデルのクロスポロは1710mm)国産車で言うとトヨタヴィッツやホンダフィットと同じクラスとなります。
おすすめのフォルクスワーゲンのポロは?
オススメモデルとして紹介するのは2009年に登場した5世代目のポロです。まずは、最新の中古車相場を見てみましょう。中古車相場のデータはカーセンサーnetのものですが、平均価格は4月の時点で154万円でした。そして7月は147万円まで値落ちが進んでいます。また流通台数は右肩上がりで増加しいよいよ500台を超えました。順調な値落ち、流通台数の増加とこの2つのポイントから見てもポロの中古車は買い時を迎えています。
それではグレードを紹介しましょう。ポロはデビュー当初の1.4コンフォートラインをはじめ、パワーと低燃費を両立した小排気量ターボエンジンのTSIを搭載したTSI コンフォートライン、TSIハイライン、パワフルなエンジンを搭載したスポーティなGTIなど全6グレードの中古車が流通しています。
中古車が多く流通しているのはTSIエンジンに変更した2010年6月~2013年4月モデルで、ちょうど価格面でもリーズナブルになっていますので、はじめて輸入車の購入を考えている方にピッタリだとおもいます。この期間、グレードはTSIハイライン、TSIコンフォートライン、TSIコンフォートラインブルモーションテクノロジー、GTIの4タイプが設定されていていずれも値落ち傾向になっています。
値落ち幅が20万円と最も大きいのはGTIですが、スポーティ色の強いモデルなので、誰にでも勧められるモデルとは言えません。そこで今回オススメしたいのはGTIに次いで14万円の値落ち幅を記録したTSIハイラインです。
おすすめのポロのグレードはTSIハイライン
TSIハイラインは1.2L直4SOHCターボエンジンを搭載した上級グレードで、フルオートエアコンや車庫入れの時に役立つパークディスタンスコントロール(リア)などを標準装備しています。気になる燃費はJC08モードで19.4km/Lです。
ポロは全車横滑り防止装置のESPを標準装備しており、同じクラスの国産コンパクトカーと比べても安全装備は一歩リードしています。注目の走行性能に関しても全長4mのコンパクトカーとは思えないほどしっかりとして、特に高速走行時の直視安定性はアウトバーンで鍛えられていることがよくわかります。
ポロの購入時の注意点
ポロの中古車を購入するときに注意する点は電気系のトラブルでしょう。なかでもパワーウィンドウの窓が外れて落ちてしまうというトラブルが発生しやすいそうです。そしてフォルクスワーゲン独自のDSGと呼ばれるミッションのトラブルが多く報告されています。走行距離が延びているクルマですと、オイル類の漏れや足回りをはじめとしたゴム製パーツの劣化やブレーキパッド、ディスクなどの消耗などが注意したいポイントとなります。
ポロの中古車は同じクラスの国産コンパクトカー+αの価格で手に入りますが、その実力は+αではとどまりません。一度手にするとクセになるのは間違いないと思います。