日刊カーセンサーでお馴染みの伊達軍曹さんに故障しても修理費が抑えられるベンツ・BMWの車種について記事を書いて頂きました。
伊達軍曹さんは自身でもBMW318isクーペと320i、そして厳密にいえばBMWではないがアルピナB3Sにのっていた経験があるそうです。
輸入車=故障が多いの噂は本当?嘘?
「輸入車=故障が多い」「輸入車=壊れたときの修理費用が高い」という世間の噂は、一概にそうとも言い切れない部分はあるのだが、一面の真実を含んでいることは間違いない。やはりトヨタ車と比べてしまえば故障頻度は高いだろうし、その際の部品代や工賃なども必然的に高めとなる場合がほとんどだ。
で、もしも故障が発生したならば、その修理費用をなるべく安く抑えたいというのは誰しもが思うところ。では、メルセデス・ベンツとBMWという2大ブランドのなかではどんな車種が、修理費用を比較的安い水準に抑えることができるのだろうか?
ベンツ・BMWの修理費用を安い水準に抑えるポイント
まずはじめに知っておくべきポイントは、
「そもそも壊れる可能性が高いパーツを数多く装備している車種は、修理費用を安く抑えるのは基本的に難しい」という事実だ。
例えばだが電動パワーシートも付いていないようなメルセデス・ベンツCクラスの本国最廉価グレードと、何種類もの電動調整機構が付いているSクラスの最上級グレードとでは、万一壊れたときの修理費用が天と地ほどに違う。
Sクラスの複雑な電動調整機構を直すとなると、数多くの部品と多大な時間が必要となるため、どうしたってかなりの修理費用が必要となる。しかし電動調整機構すらないようなCクラスであれば修理費用も安いというか、そもそも構造がシンプルなだけに壊れる可能性がほぼゼロ。
したがって、ことシートに関してはSクラスの修理費用は可能性として数万円から数十万円で、廉価版のCクラスであれば0円から数万円程度で済む。
つまりシートに限らず「構造が比較的シンプルなモデル」を選べば、修理にかかる費用というのは必然的に安くなるのが自動車というものなのだ。
そういった意味では、メルセデスであればSクラスやEクラスよりもCクラスまたはAクラス、BMWであれば7シリーズや5シリーズよりも3シリーズまたは1シリーズを選ぶのが、修理費用を安く抑えるための基本中の基本だ。
ベンツ・BMWの修理費用を安い水準に抑えるポイントその2
「構造がシンプルか否か」に加え、もうひとつ考慮すべきポイントが
「その車種の絶対数が多いかどうか」ということ。
極端なたとえ話をすると、おそろしく構造がシンプルな腕時計があったとしても、それがかなり少数しか出回っていないモデルだと、部品取り寄せには時間がかかるし、また部品代も流通量が多いモデルと比べれば極端に割高となる。
結果、その「シンプルな腕時計」にかかる修理代は、構造はシンプルなはずなのにかなりの高額となるのだ。
それと同様にクルマも「それを愛用している人の数が多いモデル」の場合は、いわゆる数が出るために、メーカーはその純正部品代を比較的安めに設定することができる。
それだけではなく、メーカー以外のサードパーティがその車種に適合する部品を独自に製造し、そして安価な価格で販売していることが多いため、そういった部品をリーズナブルな価格で入手することができるのだ。
また、そういった非正規部品を活用して安価な価格で整備するためのノウハウも、町の専門工場には蓄積されている。それゆえ、結果としてまずまず安上がりな予算で整備することが可能となるのだ。
中古のメルセデス・ベンツおよびBMWのなかで仮に故障しても修理費が抑えられるモデル
整理すると、中古のメルセデス・ベンツおよびBMWのなかで「仮に故障しても修理費が抑えられるモデル」とは、以下の二点に合致するモデルということだ。
1. 基本構造や装備類が比較的シンプル
2. 乗っている人、愛好している人の数が多い
となれば、答えはもう明らかだろう。
メルセデスであれば、比較的安上がりに修理できるのは「先代のCクラス(W204)」であり、BMWにおいては「先代の3シリーズ(E90)」だ。
そして両者とも、装備類が極力シンプルな個体であればさらに望ましい。
とはいえこれらモデルも、一般的な国産車と比べればどうしたって修理費用は割高なのは間違いない。
しかし輸入車のプレミアムモデルであることを考えれば、十分「安上がり」とはいえるだろう。正規ディーラーの工場だけでなく「町の専門工場」と上手に付き合い、ぜひリーズナブルな予算でプレミアムな輸入車ライフを堪能していただきたい。