ガリバーで7年間勤務された後、現在はフリーランスのライターとして活躍されている中込健太郎さんから寄稿いたただきました。 ベンツの設計思想からタイプにあわせたオススメのベンツの中古車まで。読み応えのある力作です。少しボリュームがあるので忙しい方は 見出しを見ていただいて興味のある場所から読んでいただくとよいかもしれません。
・初代E23型(1977年―1986年)★☆☆☆☆
さすがにほとんど流通していない。趣味の領域。
・2代目E32型(1986年―1994年)★★☆☆☆
かなりコンディションの厳しいものが多いがいいものがあれば。
・3代目E38型(1994年―2001年)★★★☆☆
おススメできるとすれば唯一の7シリーズ最終型を狙え。
・4代目E65/E66型(2001年―2009年)★☆☆☆☆
流通量が多いため、むしろおススメしたくないモデル。コンピューター制御されていて、特に前期モデルは故障が多い。修理代が高額。
・現行型F01/F02型(2009年―)★★☆☆☆
高年式なだけに状態の多いものが多いが、価格も高め。中古車としては割高か?予算との折り合いで。
BMWというと、身軽にひらりとこなす身軽さ。そういうイメージもあって、7シリーズはピンとこないという方もいらっしゃるかもしれません。
BMWの乗用車はV8のモデルで一気にその名を知らしめた歴史があります。
反面、メルセデスとのすみわけなどで苦悩の時期が続いたという歴史があるのも事実です。
重厚にして「それでも軽やかさがある」リムジンという点ではBMW独自のポジションをしっかりと表現しているのが7シリーズと言えるのではないでしょうか。(ただ初代は6気筒エンジンのみでしたが。)
BMWの7シリーズは新車では1000万円クラスの高級車です。
もし何か修理が必要になればそれなりの出費は覚悟しなければなりません。
またBMWは、だましだまし乗るようなクルマでもありません。
要はお金はかかる可能性があるということだけはご承知おき頂きたいのです。
BMW7シリーズを中古車で購入するお勧めの年式
その上でお勧めしたいモデルとしては、3代目E38型のV8モデル(735i/740i)だと思います。
一見するとプレーンなフォルム、上でご紹介したモデルの中で一番そっけないかもしれません。 しかし、しっかりと重量配分も考えて作られ、その走りは重厚さと軽やかさを併せ持つBMWの面目躍如たる表情を見せてくれるでしょう。
また、台数が多いというのも中古車選びでは質の良い車をみつけやすいといえます。
この当時の市況も手伝って、またライバル車が重厚に過ぎたことなどもあり、比較的台数的にも豊富なので、いいものに出会える可能性をはらんでおります。
そうはいってももうそろそろかなりコンディションのいいものが減ってきました。流通しているもので探すのは最後のチャンスかもしれません。
また、この3代目にはL7というリムジンがありました。V型12気筒エンジンを搭載、ストレッチ(床下延長)ではなく、専用設計のフロアで完成させたロングホイールベースバージョンの4シーターモデルです。
台数は少ないですが、世界で最も運転して楽しいリムジン、後席に乗るより自分で運転したくなるリムジン、そんな呼び声も高いモデルです。車庫の事情が許すようで、いい出物に巡り合えたら、これも面白いかもしれません。
7シリーズは3代目だけを積極的におススメとさせていただきます。